研究課題/領域番号 |
22K01771
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07090:商学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
西川 みな美 帝京大学, 経済学部, 助教 (60846260)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 小売企業 / 出店戦略 / 店舗成果 / 流通 / チェーン小売企業 / 出店 / 競争 |
研究開始時の研究の概要 |
チェーン小売企業の出店戦略には、競合店舗の多い地域に出店する「競争的出店」と、自社店舗の多い地域に出店する「ドミナント出店」という対照的な2つの出店パターンがしばしば観察される。しかし、①競争的出店/ドミナント出店の選択と、②これらの出店戦略が成果に及ぼす影響について、未だ十分に明らかにされていない。本研究の目的は、チェーン小売企業固有の組織能力の観点から、この2つの問題を解明することである。その具体的なアプローチとして、延期-投機モデルおよび学習理論に依拠した分析枠組を構築し、二次データおよび調査観察データを用いて出店戦略と店舗成果の関係を実証的に検討する。
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研究実績の概要 |
2023年度においては、チェーン小売企業の出店戦略の1つである「ドミナント出店」と「店舗成果」関係を明らかにするべく、2つの実証研究が行われた。 第1に、チェーン小売企業におけるドミナント出店が各店舗の売上に対して及ぼす影響を実証的に検討した。 主な知見として、 総合スー パー 13 社・1,423店舗を対象に分析したところ、在庫回転率が低い企業の場合には、各地域でのカニバリゼー ションに考慮して過剰な店舗数の増加を避けながらも、 出店する地域数を絞り込む、という「集中と分散のバランス」が重要であることが示唆された。 第2に、店舗レベルのマーケティング成果に及ぼす影響を解明する試論として、 ドミナント出店が、店舗レベルの小売ミックスに対する評価と顧客満足度に及ぼす影響について探索的分析を行った。分析の結果、食品や日用品を主とするスーパーマーケット業態においては、①経済性、鮮度。品質、快楽性の評価が高いほど、満足度が高まること、② ところが、ドミナント出店は、これらの評価に必ずしも貢献しておらず、むしろ経済性と品揃えの評価を低下させうることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、企業へのアンケート調査を実施する予定であったが、その事前準備として研究課題を明確にするための二次データを用いた探索的分析を行う必要が生じたため、研究計画を修正した。また、この分析に想定よりも時間を要したため、アンケート調査は次年度に実施することを予定している。
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今後の研究の推進方策 |
今年度実施した分析結果を踏まえ、出店戦略の有効性を吟味するためのアンケート調査を実施する。特に、ドミナント出店による地域適応を通じた顧客満足の形成メカニズムという問題に焦点をあて、地域性を加味した尺度を開発し調査を行う。
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