研究課題/領域番号 |
22K01797
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
清水 信匡 早稲田大学, 商学学術院(経営管理研究科), 教授 (90216094)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 資本予算 / 設備投資 / 経済性評価技法 / 投資プロセス / インタビュー調査 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、経済性評価技法が投資意思決定に利用され、正味現在価値法が最善の方法である、とのミクロ経済学に基づいた通説を一度棚上げして、多様な経済性評価技法が現実の投資のマネジメントプロセスにおいて、どのような役割を果たしているのかを会計の視点から実証的に明らかにしようとするものである。特に、(1)どの経済性評価技法が投資の業績管理プロセスにおいてどのように利用されているのか(管理会計の視点)、(2)資金調達にあたって企業と資金調達先(銀行や証券会社)との間でどの経済性評価技法がどのように利用されているのか(財務会計の視点)、ということをインタビュー調査によって明らかにしたい。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、投資の経済性評価技法が投資意思決定に利用され、正味現在価値法が最善の方法である、との通説を一度棚上げして、投資の経済性評価技法が現実の投資計画プロセスでどのように利用されどのように機能しているのかを経験的に明らかにすることである。
2023年度は、2021年度におこなった質問票調査(日本国内に本社をおく上場企業 1,492 社の経営企画部,経営戦略部,財務部,経理部の上級管理職に対して質問票を送付した)の結果を分析した。その結果は牧野他(2024)にまとめられた。管理会計の教科書では,投資意思決定を行う際の経済性評価のために投資に伴う将来キャッシュフローを予測することを前提としている。しかしながら,本研究の調査によれば,35.4%の企業は将来キャシュ・フローを予測していないことが明らかとなった。そこで,投資の経済性を計算することの前提として必要な将来キャシュ・フローの予測を実施しない要因はどのようなものなのかを明らかにするために探索的な分析を実施した。分析の結果として以下の4点が明らかにされた(牧野他(2024))。1点目は,企業規模が拡大するとともに投資の将来キャシュ・フロー予測が実施されることを明らかにした。2点目は,差別化戦略を実行している場合には,将来キャシュ・フローの予測が行われない傾向があることを示した。3点目は,自己資金による投資が多い場合,将来キャシュ・フローの予測が行われにくいことを明らかにした,4点目は,事後的な投資の成果を評価するためのマネジメントを実行している企業ほど,将来CFの予測が実行されていることを示した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度におこなった質問票調査の結果の分析が進んだ。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究は、経済性評価技法が投資意思決定に利用され、正味現在価値法が最善の方法である、とのミクロ経済学に基づいた通説を一度棚上げして、多様な経済性評価技法が現実の投資のマネジメントプロセス(投資の必要性の認識、投資案の作成・起案・審議・承認、投資の実行、投資の事後評価、投資設備の除却)でどのような役割を果たしているのかを会計の視点から実証的に明らかにすることである。1)どの経済性評価技法が投資の業績管理プロセスにおいてどのように利用されているのか(管理会計の視点)、(2)資金調達にあたって企業と資金調達先(銀行や証券会社)との間でどの経済性評価技法がどのように利用されているのか(財務会計の視点)、ということをインタビュー調査によって明らかにしていく。
|