研究課題/領域番号 |
22K01798
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
尻無濱 芳崇 神奈川大学, 経営学部, 准教授 (20728331)
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研究分担者 |
藤野 雅史 日本大学, 経済学部, 教授 (60361862)
井上 慶太 東京経済大学, 経営学部, 講師 (70825158)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 非営利組織 / アカウンタビリティ / 受益者 / 経営組織化 / マネジメントコントロール / 下方のアカウンタビリティ / 上方のアカウンタビリティ / 質問票調査 / 説明責任 / upward accountability / downward accountability |
研究開始時の研究の概要 |
非営利組織は資金提供者に対して資金の使途やサービス・プログラムの成果を報告する責任を持つ。このような資金提供者に対するアカウンタビリティに加えて、非営利組織が受益者に対してもアカウンタビリティを果たすことで、受益者がサービスを受け入れやすくなる、受益者からのフィードバックがサービスの改善につながるなどの効用があるとされる。非営利組織が社会的使命を達成するには、この2つのアカウンタビリティに応えていかなければならない。本研究では、非営利組織が資金提供者と受益者へのアカウンタビリティをどのように両立させるのかについて、質問票調査、インタビュー、参与観察を通じて明らかにすることを目指す。
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研究実績の概要 |
当年度は、先行研究の整理および質問票調査の実施を行った。 先行研究の整理としては、非営利組織のアカウンタビリティとも関連が深い経営組織化に関して文献をレビューし、NPO学会のシンポジウムで報告した。経営組織化によって生み出される問題とメリットを整理し、経営組織化を定量的に研究してく際の方向性を示した。発表内容を論文にまとめ、『山形大学紀要(社会科学)』に公表した。 非営利組織のマネジメントコントロールも、アカウンタビリティと関連が深い研究テーマである。非営利組織のマネジメントコントロールについても文献をレビューし、整理した内容を『産業経理』に論文として公表した。非営利組織マネジメントコントロール研究の近年の進展を詳細に検討し、マネジメントコントロールの対象が組織内から組織外のボランティアや受益者等まで拡張されていることを指摘し、さらなる研究の必要性を示した。 これらの文献整理の成果、および非営利組織アカウンタビリティ研究の文献整理にもとづき、非営利組織のアカウンタビリティに関する質問票を開発した。2名のNPO法人の実務家にパイロットテストに参加してもらい、得られたフィードバックに基づき修正した質問票を認定NPO法人に郵送。273件の回答を得た。この質問票調査は、資金提供者だけでなく受益者に対するアカウンタビリティについても定量的に調査を行い実態把握をするという点で、これまでの研究の限界を克服するものである。回答を分析した結果、資金提供者に対するアカウンタビリティを果たすNPO法人は多いが受益者に対するアカウンタビリティは相対的に軽視されていることが判明した。また、NPO法人は受益者に対しては資金の用途を財務諸表を通じて説明するよりも、具体的な活動を文章等を通じて説明する割合が多いことが明らかになった。NPO法人のアカウンタビリティ実践の実態を定量的に明らかにできたといえる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
質問票調査を予定通り行うことができ、その分析も順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
質問票調査で得た回答の中には、インタビューへの協力意思が示されたものもある。2023年度は質問票調査結果の分析と論文執筆、インタビュー実施を中心に進めていく予定である。
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