研究課題/領域番号 |
22K01804
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
馬場 英朗 関西大学, 商学部, 教授 (20555247)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 公共施設等 / 公会計情報 / 資産マネジメント / 総合管理計画 / 社会的インパクト評価 |
研究開始時の研究の概要 |
公共施設等は単に低コストで安全に運営するだけでなく、地域社会のなかで住民福祉の向上や生活基盤の維持、文化芸術の促進など、多種多様な役割を果たすことが期待されている。本研究では、このように複合的な価値を有する公共施設等について、財務的な側面からのみならず、社会的・経済的・技術的な側面を含めて評価し、公共施設等を有効かつ効率的に活用するための方策を検討する。それにより、公会計情報と非財務情報を組み合わせながら、住民等の利害関係者の理解を得ることができる公共施設等の評価基準を提示することに取り組む。
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研究実績の概要 |
1年目となる2022年度は公共施設等の社会的・経済的・技術的価値を測定するための考え方を整理するために、休眠預金等活用などを事例として社会的投資に対する成果測定の具体的手法に関する検討を行った。その結果は、2件の学会報告と1篇の紀要論文に取りまとめて刊行済みとなっている。 また、2年目以降には公共施設等が生み出す社会的インパクトを評価し、それを公共施設等マネジメントに係る意思決定に役立てるための方策を検討する予定であるが、その前提として吹田市における公会計と公共施設等マネジメントの一体化に関する研究に取り組み、現在は1編が専門誌に投稿中である。 さらに、SDGsへの関心の高まりにともなって、企業分野ではインパクト加重会計などの手法を用いて、幅広い社会的インパクトを財務諸表に取り込もうとする提言もなされている。そこで、関連分野の研究者とも連携しながらインパクト加重会計の考え方を整理し、研究書を構成する1章分として執筆済みで刊行予定となっており、今後はインパクト加重会計を公的部門に活用する可能性についても検討を加えたいと考えている。 したがって、当年度の段階では公的部門が考慮すべき幅広い社会的インパクトの考え方について整理するとともに、それを公共施設等マネジメントに活用するための予備的考察を実施することができた。これらの研究成果を基礎として、次年度は公共施設等に特有の論点を整理し、公共施設等を評価する際に考慮すべき多様な価値を測定するためのフレームワーク構築に取り組む予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1年目となる2022年度は、公共施設等が備えるべき社会的インパクトの基礎的整理と、固定資産台帳の活用に関する課題の洗い出しを計画していたが、それらについては概ね順調に実施できたと考える。 しかしながら、民間企業と連携して実施する予定となっている固定資産台帳データの精査については、コロナ禍による繁忙や人員体制に入れ替わりにより、データを提供する地方自治体および分析に協力する民間企業の双方ともに、当初に予定していた実施体制を整えることが困難な状況となっている。そのため、固定資産台帳データの分析については代替的な研究方法を検討しているところである。
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今後の研究の推進方策 |
公共施設等の社会的・経済的・技術的価値を測定するために必要となる概念を整理し、評価のフレームワークを構築するとともに、公共施設等総合管理計画への適用可能性について検討を行う予定である。 引き続いて、吹田市役所とも連携しながら研究を進めていくが、東北地域における公共施設等活用についても研究範囲を広げるために、2023年度からは宮城大学の青木孝弘准教授も研究分担者に加わることになっている。 さらに、研究成果を海外にも発信するために、国際学会での報告あるいは英語による論文公表にも取り組みたいと考えている。
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