研究課題/領域番号 |
22K01824
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
東 健太郎 立命館大学, 経営学部, 教授 (20535843)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 正統化戦略 / グリーンウォッシュ / 資本市場 / ESG / 社会環境ディスクロージャー / 社会環境会計 |
研究開始時の研究の概要 |
ESG投資の隆盛に促され、企業の社会や環境に関する取り組みとリスクに関するディスクロージャーへの関心が、かつてないほどに高まっている。企業からみると、資本市場においてサステナブルな存在として認められねばならないプレッシャーが大きくなり、これまで以上に資本市場における正統化戦略(ないしグリーンウォッシュ)への誘因が高まっている。本研究においては、企業が資本市場においてどのような正統化戦略を実施しているのか、資本市場はそれに対してどのように反応しているのかを分析し、正統化戦略を規制するための方法を議論する。それにより、ESG投資と社会環境ディスクロージャーの中長期的な発展に貢献することを目指す。
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研究実績の概要 |
資本市場における正統化戦略を考えるうえで、重要な先行研究群の1つにグリーンウォッシュがある。大手新聞等のデータベースでの検索結果によると、日本国内においてはグリーンウォッシュに関する議論は長期間にわたって低調であったが、再起になってESG投資の台頭に伴い、最近になって急激に注目が高まっている。そのような背景を踏まえ、今年度は、グリーンウォッシュに関連する過去の研究をレビューした。 過去のグリーンウォッシュ研究においては、グリーンウォッシュは大きく2つの異なったレベルにおいて議論されることを明らかにした。1つはシンボリックなレベルであり、このレベルにおいては企業がグリーンウォッシュを実施しているかどうかを問題にする。もう1つは認識レベルであり、このレベルにおいては、企業がグリーンウォッシュを実施していると情報利用者に認識されているかどうかが問題になる。この2つのレベルは必ずしも一致するものではなく、グリーンウォッシュを実施していなくても、グリーンウォッシュと誤認される企業、グリーンウォッシュを実施していても、そのことが利用者には発見されていないケースもある。実証的な結果によると、認識レベルにおけるグリーンウォッシュは、商品の購入意図やレピュテーションに対して、基本的にはネガティブな影響を与えるという。一方で、シンボリックなレベルにおけるグリーンウォッシュでは、株価等に対してポジティブな影響が報告されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
正統化戦略にかかわる研究の現状をレビューするなど、概ね計画の通りに順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
グリーンウォッシュについては、先行研究においては開示する側の問題として扱われることが多い。一方で、最近の研究では、情報利用者の認識の問題、企業側におけるグリーンハッシングの行使(グリーンウォッシングとの批判を避け、環境問題に関して沈黙する)、グリーンウォッシュの社会に対するポジティブな影響なども指摘されている。本研究においては、批判的な立場に終始しないように心がけ、社会全体にとってのあるべき姿を建設的に追求していく。
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