研究課題/領域番号 |
22K01844
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
水上 徹男 立教大学, 社会学部, 教授 (70239226)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | トランスナショナルな移住者 / 社会的結束性 / コミュニティの再生 / エスニック・コミュニティ / エスニック・ビジネス / グローバル都市 / トランスナショナリズム |
研究開始時の研究の概要 |
多文化による協働や連携が行われている都心地区で、コロナ禍がエスニック・コミュニティの活動などに影響を与えることになった。とくにトランスナショナルな移住者にとって、国境を超えた移動に基づく活動が著しく制限された。ホスト社会へのかかわり、トランスナショナルな回路、エスニック。コミュニティ内でのコミュニケーションなどに、いかなる影響がもたらされたか。本研究では、コロナ禍の経験、移動が制限された状況で、エスニック集団とホスト・コミュニティの連携活動などがいかに変化したか、また必要とされてる要件は何かを明らかにして、地域コミュニティの再生や活力と、いかに関連するかなどについて提示したい。
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研究実績の概要 |
2022年度は、前年度2年間と比べると、人の国際移動に関してはコロナ禍の影響が少なくなった。これまでに開催できなくなっていたエスニック・コミュニティが開催するイベントも復活してきた。東京都心のエスニック・ビジネスの展開に関して、主に池袋地区の飲食店や日本語学校から情報収集ができた。また、豊島区などの外国人人口の変遷などの資料をまとめた。 研究成果は、第117回アメリカ社会学会(2022年8月5日ロサンゼルス)Preconference(117th American Sociological Association Annual Meeting, Bureaucracies and Displacement)にて、"Chinese Migration and Transnational Channels in Central Tokyo."の発表をした。同年(10月15日)に開催された『統合科学シンポジウム ―デジタル化する社会の動向―』(奈良春日野国際フォーラム・甍)の英語セッションにおいても成果を“New Challenges to the Urban Dynamics of the Global City”として発表した。日本国内の移住者と社会制度的な課題については、『グローバル都市研究』(2023年3月)において“Contemporary Migration Issues in Japan: Undocumented Foreigners and Detention Centers”(共著)を発表した。 池袋地区では、エスニック・ビジネスも注目されている以外にも中国出身者と日本人による週末ごとの交流がマスメディアにも取り上げられてきた。この年度もフィールドワークを実施して情報収集をしたが、引き続きコミュニティ内での連携などを含めて、情報収集を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
関連文献の整理については、近年発行された関連領域の文献収集ができた。とくに、コロナ禍以前の状況に関する調査事例だけでなく、コロナ禍の影響に関する文献についてもある程度入手できた。また、日本政府や自治体の発行する外国人人口に関するデータを整理することができた。1980年代から近ヒチに至るまでの豊島区の外国人人口の推移について、表作成、グラフ作成を行い、歴史的な変遷を整理した。池袋地区を中心にフィールドワークによる情報収集も一定程度進行できた。インタビュー調査やフィールドワークに関しては、継続して実施している。 これまでに収集したデータを解析して、【研究実績の概要】に示したように学会報告や論文として発表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
地域社会の活動に関して、コロナ禍の影響が少なくなってきたこと、また第5類になったこともあり、従来の体面による直接的なコミュニケーションというかたちでの調査が進めやすくなった。このような地域社会における対面でのコミュニケーションの復活や様々な交流イベントの再開など、変化してきたコミュニティに関して、引き続き情報収集を行う。 またコロナ禍とその後のコミュニティの変化に関する近年の報告についても整理をする。成果については、国際社会学会(XX ISA World Congress of Sociology at Melbourne Convention Center, June 25-July 1,2023)や国際シンポジウムの開催(立教大学)等で、報告する予定である。また書籍での発行も計画している。
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