研究課題/領域番号 |
22K01855
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
除本 理史 大阪公立大学, 大学院経営学研究科, 教授 (60317906)
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研究分担者 |
成 元哲 中京大学, 現代社会学部, 教授 (20319221)
後藤 忍 福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (70334000)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 災害の経験継承 / 困難な過去 / レジリエンス / 原子力災害 / 公害 / 福島原発事故 / 経験の継承 / 震災伝承施設 / 伝承活動 / 多視点性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、福島原発事故に関して、多様な立場から教訓の検証と経験の継承を可能にするために、民間の伝承施設が果たす役割を明らかにし、それらの施設の持続可能性を高めるための施策について検討することである。民間の伝承施設は、政府やマスメディアなどが発信する「復興」像では取りこぼされがちな論点を積極的に取り上げつつ、被災者一人ひとりの権利回復と復興に向けて、多様な主体が参加して議論する「開かれたテーブル」をつくることに貢献しうる。本研究を通じて、原発事故をめぐる多層的な分断を修復し、原子力災害における復興知を形成することに寄与したい。
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研究実績の概要 |
今年度においても、研究実施計画に示した役割分担にもとづき、民間震災伝承施設関係者への聞き取り調査などを行ってきた。 また、研究の中間的成果を学界や社会に向けて発信すべく、研究代表者・分担者がそれぞれ論文執筆や学会報告を行うとともに、他の研究プロジェクトと共催、あるいは協力団体と連携して、次の研究会等を開催した。①第38回日本環境会議仙台大会シンポジウム2「災害の経験継承とデモクラシー」2023年9月10日、東北大学、②オンライン公開研究会「災害の経験継承をめぐって――公害と震災を架橋して考える」2023年9月26日、③第9回公害資料館連携フォーラムin福島「災害を伝え、未来をつくる」2023年12月16~17日、福島大学(主催:公害資料館ネットワーク/同実行委員会)。とくに③では、本研究組織の全員が参加し、東日本大震災・福島原発事故の経験継承をめぐって、議論を深めることができた。さらに、本研究組織の全員が寄稿し、岩波書店『環境と公害』第53巻第3号(2024年1月)に2つの特集を組むことができた。 福島原発事故における民間伝承施設の意義については、社会的にも理解を得られはじめており、『朝日新聞』2023年5月13日付be版、『河北新報』2024年1月19、21~23日付連載などで取り上げられた(これら2記事において、研究代表者のコメントおよびインタビューが掲載されている)。 以上の取り組みを通じて、本研究テーマに関心をもつ研究者、ジャーナリスト、伝承施設スタッフなどの人的ネットワークを培うことができた。これらは、次年度以降の研究の土台となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究会の開催や学会報告などに際して、他の研究費等を用いることができたケースもあるため、一定の繰越額も発生しているが、研究自体はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
当初は、福島県いわき市湯本にある「原子力災害考証館furusato」を主たる研究対象として設定していたが、他の民間震災伝承施設との関係性を構築することができたり、新たな施設が開設されたりしているため、比較研究の観点からも、研究対象を横に広げていく必要がある。また、公害資料館との比較研究も継続していきたい。さらに、メディア関係者との連携を深めつつ、民間震災伝承施設の情報発信や利用促進にも取り組みたい。
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