研究課題/領域番号 |
22K01866
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 関東学院大学 |
研究代表者 |
湯浅 陽一 関東学院大学, 社会学部, 教授 (80382571)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 環境制御システム論 / 廃棄物問題 / プラスチック / 持続可能性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、モノを起点に社会関係を読み解く素材型モノ研究の視点を適用しながら、プラスチックと現代社会がいかに深く関わりあっているのかを解明し、その知見をもって、共進的な形で持続可能な社会に転換していく道筋を探っていく。 本研究では、プラスチックの一生を製造、使用・消費、リサイクル・廃棄という3つの領域に分け、それぞれの領域においてプラスチックを取り巻く社会関係を解明したのち、領域間の相互関係を分析する。これにより、日常生活からは可視化しえない複雑で多様な関係を明らかにし、諸主体が連携しながら同時進行的に取り組むという共進的な形での持続可能な社会への転換を進めていくための鍵を見出していく。
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研究実績の概要 |
研究初年度であり、論文などによるまとまった形での成果の公表は行っていない。関連する業績として、「パラダイムとしての環境制御システム論の再評価」と題した学会報告を行った。環境制御システム論は、ヨーロッパにおけるエコロジー的近代化論(Ecological Modernization Theory)などと同じように、環境問題への対応をめぐる社会の変化を捉えるためのパラダイムとしての性質をもつ理論的視点である。本報告では、SDGsなどの近年の環境問題への取り組みをどう捉えうるのかという視点からの再評価を行った。環境制御システム論では、環境制御システムによる経済システムへの介入の状況を捉えることが中心におかれているが、この視点をふまえると、SDGsのような取り組みは、環境と経済の関係についての考察があいまいなままであることが指摘できる。このような環境と経済の関係についての考察は、石油化学関連企業やプラスチックメーカーなどの「上流」に位置する事業者の取り組みの分析にあたっては、有効である。合わせて、編者の1人として、「シリーズ環境社会学講座」第5巻の作成を進めており、第1章「持続可能な社会の実現という『解決』はいかにして可能かー描かれてきた道筋とその先にあるもの」と第4章「廃棄物問題への取り組みは。いかに揺れ動いてきたのか?」を執筆している。第1章においては環境制御システム論、第4章は廃棄物問題が、それぞれ本研究との関わりを有している。いずれも論文そのものは書き上げてあり、他の章の完成を待って、2023年度中に刊行の予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は文献の検討による研究を進めたほか、岡山県倉敷市において、水島コンビナートを抱える水島地域において発生した公害問題と、地域の活性化に取り組む主体を対象とした調査を行った。コンビナートにおいて石油精製などを行っている事業所の見学も準備し、複数の事業者にコンタクトをとったが、条件が合わず実施に至らなかった。水島コンビナートについては、公害等によって社会的な関心を集めた経緯があることから、コンビナート内の状況も含めて研究者による成果の蓄積があることが判明した。周辺の市民組織もあることから、研究を進めるための有力な足掛かりを得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
コンビナート内の事業者へのコンタクトを継続的に取りつつ、コンビナートの周辺地域や、コンビナート周辺に所在し、プラスチック関連の事業を行っている事業者への調査を進めていく。また、プラスチックを使用した製品を製造している事業者へのインタビュー調査を行い、プラスチック原料の製造から使用・消費とリサイクルいたる流れの全体像の解明を進める。加えて、プラスチックに対する数量的な意識調査を実施する。
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