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労働市場における「不満の解消機会」としての転職の機能を解明するパネル調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K01875
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分08010:社会学関連
研究機関千葉大学

研究代表者

吉岡 洋介  千葉大学, 大学院人文科学研究院, 准教授 (90733775)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
キーワードパネル調査 / 仕事への不満 / 離職 / 転職 / 社会階層 / 千葉エリア / 無作為抽出 / パネルデータ / 仕事不満度
研究開始時の研究の概要

雇用の流動化が進む近年、政府の「働き方改革」では、働く人々が転職しても不利にならない労働市場の確立がめざされている。本研究では、「不利にならない転職」を労働者自身の仕事への不満が改善・解消されるような移動と考え、「このような移動がどの程度生じているのか」「このような移動は労働市場のあらゆる人々が経験するのか、それとも特定の人々が経験するのか」といった問いを明らかにする。これらの問いを明らかにするために、本研究では、雇用の流動性の高い千葉市とその近隣都市を対象に、無作為抽出標本のパネル調査を実施する。高品質のパネルデータを分析することで、流動化する労働市場の実態と課題を明確にすることをめざす。

研究実績の概要

本研究の目的は、仕事のさまざまな側面に対する不満とその後の離転職の有無の関連を調べることで、労働市場の「不満の解消機会」の実態を明らかにすることである。この目的を計量分析により明らかにするために、調査会社に委託しない研究者自前のパネル調査を企画・実施した。2023年度は、2022年度に千葉県北中部エリア14市町を対象に郵送法で実施した第1波調査の有効回答者1,484名に対し、第2波調査を実施した。第1波調査と第2波調査にはちょうど1年間のインターバルがある。現時点で、有効回収率は77.4%であり、1,148名分のパネルデータを得ることができた。非常に多くの方にご協力いただけたと考える。

有効回答1,148名におけるおよそ100名(約8%)が前回調査時に勤めていた仕事先を離れたと回答した(ただし職歴データも含め現在もデータクリーニング中であり、これらの数値は確定値ではない)。これらの離職イベントの有無に対し、第1波調査時の仕事に対するどのような側面の不満度が影響しているのか、今後分析を続ける。約100名の離職イベントが観察されたことは、記述的な分析を超え多変量解析による研究課題の遂行が可能であることを意味する。また、「転職により不満は解消するのか」つまり「不満→離職→就職(転職)→満足」というキャリア・イベントと満足意識の変化の関連を立体的に把握するために、2024年度も第3波調査を実施する。第3波調査は、2024年9月に実施予定である。

2023年度は、以上の第2波調査の実施状況(回収状況)について、学会大会で発表し報告書論文にまとめた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定通り、2023年9月に第2波調査を実施することができた。第1波調査の有効回答者1,484名に調査票を郵送し、1,148名の有効回答が得られた(有効回収率77.4%)。社会学の他のパネル調査の第2波調査の有効回収率と比較しても、学問的批判に耐えうる回収状況だと考える。

また、本研究の従属変数である第1波調査と第2波調査の間で生じた離職イベントも多変量解析に耐えうる件数(約100件)を観察できた。このことからも、人々のキャリアと意識の変化を立体的に把握しようとするパネル調査研究が順調に進展しているといえよう。

今後の研究の推進方策

当初の研究計画通り、2024年9月に、すでにパネルデータを得ている1,148名に対し第3波調査を実施する。900名近い有効回答を得ることが目標である。またパネルデータ分析も進める。

課題は、2024年に郵便料金の値上げが予定されていることである。このことにより調査スケジュールや調査サイズを見直すことはないが、調査コストへの影響は避けられない。信頼性の高いパネルデータを構成することを最も優先しつつ、支出の工夫をしていきたい。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 3件) 学会発表 (2件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 2023年「暮らしと政治についての意識調査」の調査概要と分析事例 : 新型コロナウイルス感染症への不安感情の分析2024

    • 著者名/発表者名
      吉岡洋介・本多未来
    • 雑誌名

      千葉大学大学院人文公共学府研究プロジェクト報告書

      巻: 387 ページ: 47-54

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 50代後半の正社員の「能力開発・自己啓発」「免許・資格取得」経験の規定要因2024

    • 著者名/発表者名
      吉岡洋介
    • 雑誌名

      JILPT 資料シリーズ No.277『高年齢者の多様な就業と生活 ―中高年者縦断調査を用いた二次分析―』

      巻: 277 ページ: 31-41

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 2022 年「暮らしと政治についての意識調査」の調査概要2023

    • 著者名/発表者名
      吉岡洋介
    • 雑誌名

      千葉大学大学院人文公共学府 研究プロジェクト報告書 第 378 集 『流動化する社会と文化』

      巻: 378 ページ: 44-49

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] 2022年「暮らしと政治についての意識調査」の調査概要と基礎分析:若者の政治意識と投票参加に注目して2023

    • 著者名/発表者名
      吉岡洋介
    • 学会等名
      第96回日本社会学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 多集団同時分析による組織コミットメントの日米比較2023

    • 著者名/発表者名
      吉岡洋介
    • 学会等名
      第74回数理社会学会大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 『プロ・スポーツにおける応援が持つ公共的機能についての社会調査研究』2024

    • 著者名/発表者名
      木村宏人
    • 総ページ数
      136
    • 出版者
      千葉大学大学院人文公共学府博士論文(2023年度)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] 千葉大学文学部  人文学科 行動科学コース 社会学専修

    • URL

      https://socio.l.chiba-u.jp/

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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