研究課題/領域番号 |
22K01885
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 東京家政大学 |
研究代表者 |
松岡 洋子 東京家政大学, 人文学部, 教授 (70573294)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | エイジング・イン・プレイス / コ・プロダクション / アセットベースト・アプローチ / インフォーマル資源 / ボランティア / 高齢者ケア専門職 / 介護支援専門員 |
研究開始時の研究の概要 |
世界的な少子高齢化の進展により、福祉国家から参加型社会へのパラダイムシフトが進んでいる。本研究では、住み慣れた地域での居住を継続(エイジング・イン・プレイス)するために、インフォーマル資源の活用が進み、参加主体の多様性・対等性・自発性を基盤にした専門職との「コ・プロダクション」が進んでいる世界の潮流に着眼する。 日本・オランダ・英国における「コ・プロダクション」の先進地の実態を明らかにし、その多様性・対等性・自発性の指標を明らかにして、具体的指標に基づく日本での量的調査を実施する。日本の到達点や今後の可能性を明らかにして、エビデンスに基づいて日本の「コ・プロダクション」推進の方途を探る。
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研究実績の概要 |
文献レビューの成果、日本と海外におけるインタビュー調査の成果をあげることができる。文献レビューにおいては、多様性、対等性、自発性という尺度に加えて、コ・プロダクション(CPと略す)のレベルとして、co-implementer, co-designer, initiatorのレベルで捉える理論的枠組みを発見することができた(W.H.Voorberg, 2015)。質的調査の指標として、また量的調査における日本のコ・プロダクション達成度を測る指標としてさらに検討していきたい。 日本では、沖縄県の高齢化が異なる複数の自治体を訪問して、公民館などの既存施設の存在がインフォーマルな助け合いの基盤形成に大きな影響を与えていること、高齢化率50%を超える限界集落ではボランティアを義務としてではなく、趣味活動の延長線上にとらえて発展させる可能性、などをコ・プロダクションの成功要素として抽出することができた。 英国では、CP先進地と言われているWales(Swansea)とScotland(Edinburgh, Glasgow) を3年ぶりの海外調査として訪問することができた。Walesでは、CP研究のエキスパートであるSwansea大学教授に会うことができ、2023年度インタビュー調査で協力をいただくこととなった。Scotlandでは、主としてボランティア活動を振興する4団体(7人)を訪問し、CPに関するパラダイムシフトの中核には、「専門職から見た課題」から「本人が何を大事と思っているか」への変化があることを確認できた。しかし、CPはミクロからマクロ、難民・就業・貧困などテーマが広範にわたる。この点、対象絞り込みの必要性が示唆されたと言える。さらに、成功要因としては「対等」「リスペクト」「タスク指示」などの仮説が、現段階で仮説的に抽出されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍のために、海外調査ができなかったことが大きく影響している。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度(令和5年度)にはインタビュー調査を終了して、コ・プロダクションの構成要素、成功要因要素を抽出する。海外インタビューについては、実際の訪問に加えて、オンライン・インタビューも取り入れていく予定である。さらに、日本の介護支援専門員にもインタビューを行う計画である。その結果をもって、2024年1月、あるいは同年夏・秋のアンケート調査を行なえるように進める。
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