研究課題/領域番号 |
22K01903
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
串田 秀也 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (70214947)
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研究分担者 |
川島 理恵 京都産業大学, 国際関係学部, 准教授 (00706822)
阿部 哲也 関西医科大学, 医学部, 准教授 (20411506)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 医療 / 医師患者関係 / コミュニケーション / ゲートキーピング / 会話分析 / 受診相談 / 看護師 / 診療場面 / プライマリケア |
研究開始時の研究の概要 |
医療資源の適正な配分は、現代社会における重要な実践的課題である。日本の医療政策は近年、プライマリケア医が専門的な医療資源への患者のアクセスをコントロールする役割(ゲートキーパー役割)を強化する方向を目ざしている。だが、プライマリケア医が実際に患者とのどんなやりとりを通じてこの役割を果たしているのかはあまり解明されていない。また、患者の医療資源へのアクセスに対して、医師以外の医療関係者(看護師、受付係等)が及ぼす影響もほとんど研究がなされていない。本研究は、日本の大学病院において、専門的医療資源への患者のアクセスが誰によってどのようにコントロールされているのかを、微視社会学的に明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、専門的医療への患者のアクセスをコントロールするゲートキーピングが、病院の総合診療科診療と受診相談という2つの場面においてどのように行われているかを、微視社会学的に研究することである。この目的を果たすため、本年度は大きく2つの作業を行った。第一は、既存データを用いた総合診療科診療でのゲートキーピングに関する予備的分析である。これについては、患者の問題提示を受けて、患者の病院に対する要求を医師がコントロールするプラクティスを分析した。医師は、大学病院における全人的医療という潜在的に矛盾を孕む目的を達するため、患者の受診理由が大学病院または総合診療科に適合的でない場合には、受診理由を不十分さを解消する連鎖を開始し、その連鎖を通じて、患者の要求を制限しつつ包摂するという複雑な対処を行っていることを明らかにした。これにより、総合診療科診療における医師のゲートキーピング手続の基本的特徴を予備的に明らかにした。第二は、受診相談における看護師と患者や同伴者との相互行為の分析である。これについては、本年度は本調査のための準備作業を行った。まず予備調査として受診相談窓口での数回の観察を行い、受診相談業務の基本的な流れを把握した。また、それを踏まえて受診相談担当看護師とミーティングを持ち、データ収録計画を立て、病院の倫理委員会に申請し、承諾を得た。これにより、次年度に本格的にデータ収集を行うための態勢が整った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
診療場面の分析については、既存データを用いた分析を進めることができ、次年度の新規データ収集に備えることができた。受診相談の分析に関しては、予定通り本調査のための準備を完了することができた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降、総合診療科診療については、新規データを収集して分析を進める。受診相談に関しては、本調査を開始し、データ収集・分析を進める。
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