研究課題/領域番号 |
22K01924
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
寳田 貫 九州大学, 大学病院, 講師 (50243720)
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研究分担者 |
伊吹 禎一 九州大学, 大学病院, 助教 (90363340)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ワーク・エンゲイジエント / 歯科医師臨床研修 / メンタルヘルス / 自己の成長 / アウトカム評価 |
研究開始時の研究の概要 |
医療専門職はストレスの多い職種である。とりわけ卒直後の臨床研修ではメンタル不調を起こす者が少なくなく、メンタルヘルスケアの充実が重要となる。 メンタルヘルス対策では、メンタルヘルスを阻害するストレス因子を評価し改善に繋げるネガティブな心理反応が検討されてきたが、近年、ポジティブな心理的反応であるワーク・エンゲイジメント(以下、WEと略す)が注目されている。WEの高い労働者は活力にあふれ、仕事に積極的に関与するという特徴をもつ。 本研究では、このWEが研修歯科医の精神健康、仕事へのポジティブな態度、仕事パフォーマンスに及ぼす影響を調べ、研修歯科医の重要課題である「自己の成長」への関与も検討する。
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研究実績の概要 |
職場のメンタルヘルス対策では、メンタルヘルスを阻害するストレス因子を評価し改善に結びつけるネガティブな心理反応が検討されてきたが、近年、職場における心理社会的アウトカムとして、ポジティブな心理的反応であるワーク・エンゲイジメントが注目されている。 本研究の目的は、新人社会人の最重要課題である「自己の成長」に注目し、ワーク・エンゲイジメントを規定する個人と組織の特性を検討するとともに、ワーク・エンゲイジメントがアウトカムとしての心身の健康、仕事や組織に対するポジティブな態度、仕事のパフォーマンスに及ぼす影響を検討し、「自己の成長」への関与を明らかにすることである。 本年度は前年度に引き続いて、臨床研修歯科医師に6種類の質問票(1:フェイスシート(年齢、性別、勤続年数、職種、役職)、2:日本版 精神健康調査票12項目版、3:SOC評価スケールの日本語13項目版、4:職業性ストレス調査票(Job Content Questionnaire)日本語版22項目、5:自己の成長尺度、6:日本語版ユトレヒト・ワーク・エンゲイジメント尺度短縮版)を用いて自記式アンケート調査を行った。研修早期の6月と終盤の翌年2月に実施し、2回とも回収できたのは39名(回収率:78%)であった。前年度と合わせて86名分のデータが収集できた。目標標本数は少なくとも100(可能なら200)としており、86%(43%)の達成率である。 アンケート調査より、ストレス対処能力、仕事要求度(仕事の負担)、仕事コントロール、上司支援、同僚支援、精神健康、自己の成長(能力的成長と精神的成長)ワーク・エンゲイジメントを測定し、各尺度間の相関係数を算出した。その結果は前年度の分析結果と同様であり、ワーク・エンゲイジメントは精神の健康と正の相関があり、仕事や組織に対する行動や仕事のパフォーマンスとも正の相関が認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度に予定していた一般社会人のワーク・エンゲイジメントの状態を確認するためのインターネット調査に関しては、前年度は新型コロナウイルス感染拡大が働き方に大きな影響を与えていたため延期し、本年度もその影響がまだ残っていたので延期した。 来年度は、計画しているインターネット調査を実施する予定である
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今後の研究の推進方策 |
翌年度以降も、本アンケート調査を新規採用の研修歯科医に実施し、データを蓄積する。最終的には「仕事のコントロール」「上司の支援」「同僚の支援」を因子とする潜在変数、「仕事の資源」「ストレス対処能力」を因子とする潜在変数、「個人の資源」「精神健康」「仕事や組織に対するポジティブな態度」「仕事のパフォーマンス」を因子とする潜在変数「ワーク・エンゲイジメント」を仮定し、「仕事の資源」「個人の資源」「ワーク・エンゲイジメント」の変数間の共分散構造分析を行う予定である。 併せて、一般社会人のワーク・エンゲイジメントの状態を確認するために、学術調査の専門会社を利用して研修歯科医に実施したものと同様の質問内容のインターネット調査を行う。対象者は研修歯科医の年齢層に合わせて、大学卒の25~26歳の会社員とする
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