研究課題/領域番号 |
22K01927
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
宮本 匠 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 准教授 (80646711)
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研究分担者 |
草郷 孝好 関西大学, 社会学部, 教授 (30308077)
平井 太郎 弘前大学, 大学院地域社会研究科, 教授 (70573559)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 復興感 / 東日本大震災 / インタビュー / 復興曲線 / 支援 / 復興 / 被災者 / 移住 / 災害復興 / 質的調査 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、災害後の復興感を左右するとされる「重要他者」=「心を開いて話すことができる存在」とは、具体的にはどのような存在であり、どのタイミングでどのような役割を果たすのかを明らかにする。そのために、従来の量的手法ではなく、臨床的で対話的なインタビュー調査(復興曲線インタビュー)を実施する。被災者の復興感が、住宅再建など「元に戻る」ことだけでなく、「重要他者」との出会いによる震災体験の意味づけにも影響されることを分析することで、社会資源が減少する時代の復興を見据え、ハードだけでなくどのようなソフトを活用することが復興感にとって重要なのかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
本年は、前年度に行った復興曲線インタビューの分析と、その後の現地の様子を観察するフィールドワークを行った。研究成果の一部については、日本社会学会等の学会大会で発表を行った。復興曲線インタビューの分析から見えてきたことは、住宅再建のような被災者の生活再建にとって不可欠と考えられるような事柄は被災者の復興感に大きな影響を与えるものの、それだけでは回復しないような復興感も存在することであった。それは、住宅再建がなされてもなお、曲線が上昇せずに、平らなまま移行するような例として見出された。本研究ではそれを復興感における「プラトー」と名づけた。この「プラトー」を子細に分析したところ、「プラトー」においては様々な葛藤が経験されており、「可もなく不可もない」平穏状態を表しているのではなく、むしろさまざまな感情の緊張関係が「プラトー」として表現されていることが見えてきた。様々な葛藤とは、例えば、住宅再建の形式、従前コミュニティの再建家庭への参与の仕方、家族関係等についてのものが複雑にからみあった状態を指す。このような葛藤状態、「プラトー」がそのまま存在し続けている被災者もいれば、「プラトー」から抜け出した被災者も見られた。「プラトー」から抜け出した被災者は、決して葛藤状態が解決されて消失したわけではないのだが、復興過程においてなにがしかの新しい役割のようなものを獲得していることも見えてきた。このような点について、先行研究において、被災者の復興感に大きな影響を与えるという「重要他者との出会い」と関連させながら分析を進めているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度に行ったインタビューの分析を進めることができ、その一部は学術集会で発表することができた。査読付き学術誌での掲載にはいまだ至っていないが、掲載目指して取り組むとともに、次年度の調査の準備を進めたいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本年は2度目の復興曲線インタビューを実施する。特に、前回のインタビューで「プラトー」の経験が見られた人々を中心に、その後の変化を追うこととする。ただし、昨年度の途中に、本研究の実施にとって重要な役割を担っていた被災者のおひとりが亡くなってしまった。本研究が対象とする気仙沼市唐桑半島における復興過程にとって、特に外部からの人々の受け入れにあたって、非常に大きな役割を果たした方だった。本年のインタビューでは、あらためて、このように被災者と外部者の結節点となるような人が果たす役割について、先行研究における「重要他者との出会い」の具体的な分析とともに考察したい。
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