研究課題/領域番号 |
22K01931
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 國學院大學 |
研究代表者 |
金 今善 國學院大學, 観光まちづくり学部, 准教授 (60438116)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 地域自治 / 中間支援組織 / ソウル型住民自治会 / マウルづくり / ガバナンス / ローカル・ガバナンス / コミュニティ / 住民自治 / 地方自治 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、韓国ソウル市のマウル共同体づくり事業を対象として、ローカル・ガバナンスの観点からコミュニティ・レベルでの住民自治のあり方を考察する。具体的には、(1)「ソウル型住民自治会モデル事業」の推進背景、制度設計上の特徴及び方向性、運営体系等に関する現状と課題の分析を行う。(2)ソウル市25自治区において、行政と住民のインターフェースとしての役割を担いながら、多様な主体の協働によるマウル共同体づくり活動を支援する、マウル共同体総合支援センターを対象に、地域協働コーディネーター(調整役)に求められる組織マネジメントとネットワーク形成に関する中間支援組織のあり方を探求する。
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研究実績の概要 |
本研究は、韓国のソウル型住民自治会モデル事業における地域自治の仕組みづくりの制度改革の動態の把握を通じて、コミュニティ・レベルでの住民自治のあり方を考察することを目的としている。 令和4年度では、ソウル型住民自治会モデル事業が推進された背景や目的に関する情報収集を行い、その法的な特徴や規定について調査した。さらに、ソウル型住民自治会モデル事業の推進状況や直面している課題について、既存文献やソウル市が公表している政策資料や統計データなどを中心に整理分析を行っている。また、住民自治会モデル事業を推進する上で、市民活動団体と行政のインターフェースを担う中間支援組織の役割や機能、課題についても先行研究を中心に論点整理を行った。これらの情報収集と分析・整理を通じて、ソウル型住民自治会モデル事業の基礎情報を得ることができた。 2017年10月に、ソウル市は「ソウル型住民自治会」制度を提案し、各自治区に住民自治会の設置を促している。各自治区では、ソウル市の「ソウル特別市〇〇区住民自治会設置・運営に関する条例(案)」に基づいて住民自治会の設置に取り組み、2021年6月現在、22自治区236洞で住民自治会が構成・運営されていることが分かった。また、住民自治会が形成された後、それに関わる市民団体の支援や官民協働をコーディネートするために洞自治支援官が配置されている。洞自治支援官は、マウルづくりの専門家として、広報活動や住民自治学校の運営、委員選定結果の案内、住民とのコミュニケーションに従事している。 また、地域住民の積極的な参加や地域活動の拠点づくり、民間企業やNPO、地域団体の役割も重要視されており、地域社会の意向を行政に反映させるためには、コミュニティ・レベルでの民主的なガバナンスの構築が求められていることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの影響等で予定していた韓国での現地調査を見送ることとなったため、進捗状況はやや遅れている。ただ、ネットを通しての関連資料の収集・分析を行った。特に、ソウル市クムチョン区のシフン3洞における住民自治会の運用に関する情報交換で、子どもの日のお祭りなどの事業について住民が直接投票し(15歳以上なら誰でも可能)、その優先順位を決めていることが分かった。この投票結果は予算配分などに活用される。次年度は、現地調査を通して、これらの実態把握を進めたい。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、前述した調査枠組みに従って現地調査を行い、実態を把握することに取り組む。そして、日本の地域自治の仕組みづくりの動向を注視しつつ研究を進め、論文として発表する準備を進めていきたい。具体的には、韓国在住の研究協力者との情報交換を進めながら、ソウル市内の複数の住民自治会における合意形成プロセスや政策への関与方法などを調査し、中間支援組織の組織及び実態について韓国調査を進める。引き続き、ネットを通して資料を収集し、入手した資料の分析を行い、研究成果は、学術論文として国内外の学術雑誌に投稿し、発表する予定である。
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