研究課題/領域番号 |
22K01956
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
木村 由美 獨協医科大学, 看護学部, 講師 (30768114)
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研究分担者 |
小嶋 章吾 国際医療福祉大学, 医療福祉学研究科, 教授 (90317644)
金子 昌子 獨協医科大学, 看護学部, 特任教授 (70194909)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ケアラー / 統合失調症 / 家族 / 生活 |
研究開始時の研究の概要 |
我が国の精神保健医療福祉の施策は、入院医療から地域生活へ転換され、約7割の精神障害者が家庭に社会復帰しており、家族(以下、ケアラー)は統合失調症者の地域生活継続には欠かせない存在である。しかし、ケアラーとしての役割中心の生活を送る中で身体的・精神的負担を抱えている。ケアラーが健康で自分らしい生活を取り戻す為の支援モデルの構築が急務である。そこで、本研究ではケアラーの生活の様相を捉えた上で、彼らの「つよさ」「しなやかさ」に着目し、自分らしい生活を取り戻すプロセスを明らかにする。それらを明らかにすることで、ケアラーが自分らしい生活を送るためのケアラー支援モデル構築の基盤とする。
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研究実績の概要 |
統合失調症者をケアする主介護者(以下、ケアラー)が自分らしい生活を取り戻す(再構築する)プロセスを明らかにする。本研究では、ケアラーの生活の様相を捉え、社会相互作用の中で自分らしい生活を再構築していくプロセスを明らかにする。 本研究は大きく3つで構成される。 研究1:統合失調症者家族に関する文献レビューから、統合失調症者家族の研究の動向を明らかにする。 研究2:2か所の家族会でフィールドワークを実施する。研究対象者20名であり、うちインタビューの実施に同意が得られた10名にインタビューを実施し統合失調症者のケアラーの生活とはどのような生活なのかを明らかにする。また1986年から2017年にかけて実施された精神保健福祉会連合会による生活実態調査を検討材料として統合失調症者家族のケアする生活についてその全体像の把握と自分らしい生活の定義を検討し、研究3の研究協力者を選定する。 研究3:研究2で選定した研究協力者にインタビューを実施し、M-GTAを用いて、自分らしい生活を再構築するプロセスを明らかにし統合失調症者家族がケアラーとして自分らしい生活を再構築するプロセスモデルの構築を図る。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究1:文献レビューは査読付き学会誌に投稿し掲載されている(ヒューマンケア研究学会誌VOL.13.NO1) 研究2:2021年6月から2021年12月(予備調査)、2022年1月から2023年2月(本調査)として、2か所の家族会にて24回のフィールドワークを実施した。補完として10名の研究協力者にインタビューを実施し質的データ分析法で分析し、生活把握の諸次元の枠組みで分類した。結果、生活意識【病気に抱く緊張感】【情緒的な共感】【共生可能感】【自分なき後の懸念】【社会参加の期待】、生活行動【翻弄されながらの対応】【対応可能感に基づくケア】【自分なき後の準備】、生活条件【ケア維持に影響する資源】が明らかになった。それらの結果から見出した変化と、自分らしさに関連する文献検討から、自分らしい生活を「ケアラーが「外的なものにより意思決定がなされるものではなく, 他者からの影響を受けながらも自分自身の意思や気持ちに基づいて状況判断し行動を自分で選択する」日々の暮らしの営み」と定義した。 以上、統合失調症者家族のケアラーとしての生活として、査読付き学会誌投稿し掲載されている(ヒューマンケア研究学会誌VOL14、NO1) なお、24回のフィールドワークの中で入退院やグループホーム入所と当事者の状況変化があり、研究協力者の選定について同居に拘らずケアラーとして生活する家族に焦点を当て、研究を進めることとした。 研究3:研究3の結果から自分らしい生活の定義に沿い、10名の研究協力者を選定した。このうち2名の辞退があり、8名にインタビューを実施した。その結果、【ほどよいケア方法の形成】をターニングポイントとして, 無理のないケアの在り方を形成していく過程と, 新たなケアラーとしての自己を形成する2つの過程でもって成り立っていた。 (現在、書籍化に向け準備中)
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今後の研究の推進方策 |
研究3の書籍掲載 研究3で得た結果の実践応用を図る。家族会で応用しその成果を検証していく。
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