研究課題/領域番号 |
22K01959
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 淑徳大学 |
研究代表者 |
菊池 義昭 淑徳大学, その他部局等, その他 (50258927)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 岡山孤児院 / 石井十次 / 児童愛護デー / 乳幼児愛護デー / 音楽幻燈(活動写真)隊 / 児童愛護デーの運動 / 子どもの権利保障 |
研究開始時の研究の概要 |
日本における子どもの権利保障の歴史についての研究は不十分であり、特に、子どもの権利保障の源流となる明治期、大正期、昭和期に、一般民衆自身が、その具体化のためにどのような啓蒙活動を実施しつつ受容したかという分析視点に立った、児童福祉の実践史研究に関する論文はほとんど見当たらない。そこで、本研究では、日本における子どもの権利保障の源流を、明治・大正期の岡山孤児院の実践や、大正・昭和期の児童愛護デー運動および乳幼児愛護週間の活動事例の解明と分析からその事実を立証し、現在の児童福祉法の基本にある子どもの権利保障の源流の内実を研究的に裏付け、同法が存在する歴史的意義の発信に貢献していくことにする。
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研究実績の概要 |
本年度は、コロナ下で各地での資料調査が出来なかったが、全国の各都道県の図書館等の協力を得て必要な資料を収集し、1901年の岡山孤児院の音楽幻燈隊の巡回活動と第1回全国乳幼児愛護デーの47道府県の活動実態などを、下記のような論文にまとめた。 ①「1901年3月の岡山孤児院の音楽幻燈隊の『備中運動』等と『九州運動』の実態」『石井十次資料館研究紀要』第23号。②「1901年7月からの岡山孤児院の音楽幻燈隊の北関東と北信越での巡回運動の実態(1)-北関東等の4県の2市1町1村での内容を中心に-」『千葉・関東地域社会福祉史研究』第57号。③「1901年7月からの岡山孤児院の音楽幻燈隊の北関東と北信越での巡回運動の実態(2)-北信越の5県の6市6町1村での内容を中心に-」『東北社会福祉史研究』第41号。④「1901年の大原孫三郎の岡山孤児院の基本金管理者への就任とその前後の活動」『石井十次資料館研究紀要』第23号。⑤「第1回全国乳幼児愛護デーの国民的な運動への模索(2)-近畿地方から九州地方の長崎県までの活動内容を中心に-」『地域社会福祉史研究』第10号。⑥「第1回全国乳幼児愛護デーの国民的な運動への模索(3)-九州地方の4県での活動を中心に-」『長谷川仏教文化研究所年報』 第47号。⑦「第1回全国児童保護事業会議での児童扶助法案と児童保護事業関係者の要望内容-育児院や里子養育に関する要望や提言に関する内容を中心に-」『東北社会福祉史研究』第41号。⑧「実践史研究の研究方法とその可能性を求めて-岡山孤児院史研究などの経験を通して-」『戦後社会福祉の歴史研究と方法-継承・展開・創造』第2巻<理論・総括>。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
日本の児童福祉における子どもの権利保障の源流という視点から、本年度は、1901年の岡山孤児院の音楽幻燈隊の巡回活動の全体像をまとめ、さらに1927年に実施された第1回全国乳幼児愛護デーの47道府県での活動実態などを解明した。 ただ、岡山孤児院の音楽幻燈隊の巡回活動については、1902年まで解明する予定であったが、石井十次資料館の資料や各県の新聞資料が意外に多くあることが確認でき、それを論文にまとめる時間が予想以上に必要となり、1902年に進むことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、先の研究を踏まえ、翌1902年の岡山孤児院の音楽幻燈隊の巡回活動の実態を明らかにし、一般民衆からの寄付金募集の内容とそれに伴う一般民衆への啓蒙の状況を分析する。 また、1927年に実施された第1回全国乳幼児愛護デーは、47道府県で実施されたが、翌1928年になると各道府県での取り組みがどのように変化し、第2回全国乳幼児愛護デーとして実施されたのか、それとも一部の道府県の活動に縮小されていくのかなどを解明、分析することにする。
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