研究課題/領域番号 |
22K01974
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
吉田 哲 大阪工業大学, 工学部, 特任教授 (10293888)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 訪問型日常生活支援 / 住民主体 / 高齢者 / 介護保険外 / 支え合いボランティア / 支援団体 / 訪問型日常生活支援団体 / 学区社会福祉協議会 / 通所型事業所 |
研究開始時の研究の概要 |
介護保険外でも高齢者の生活上必要となる支援を担う住民主体の団体数は京都市等の都市部では当初の期待ほど増えず、支援件数も一部の団体を除き低位安定している。本研究では、特に住民主体による介護保険外の高齢者向け訪問型日常生活支援を閉じた圏域によらない支援として検討するため (1)団体事務局入居建物、支援提供圏域や、支援内容・体制等の変遷と団体種別による相違 (2)先進的団体による支援が住民自治の基礎単位である小学校区を越えて提供されている実態の調査研究により、住民主体による介護保険外の高齢者向け訪問型日常生活支援の持続的なあり方を、支援提供圏域の空間的広がり・重複、支援内容や体制の変遷という視点から検証する。
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研究実績の概要 |
高齢者向けの介護保険外での訪問型日常生活支援団体に対するアンケート調査を行った。支援件数の多い団体、近所の顔見知りではない依頼先が確保できるという意味で重要な、支援提供範囲が住民基礎自治単位である小学校区より広い団体が地域にあることが高齢者の地域継続居住に資すると考え、その団体の特徴を多変量解析によって抽出した。 支援提供範囲が小学校区より広くなるのは、団体の母体の種類に①学区社協を含まず、②NPO法人を含む団体、③活動期間が2年未満、5年以上10年未満の団体、⑤団体メンバーに学区外の有志を含む団体であった。年間支援延件数が多くなる条件は③団体の活動期間が10年以上、⑧支援料金が1000円超3000円以下、3000円超等、ある程度の金額でサービスを提供する団体、⑤団体メンバーに学区外の有志を含まない団体であった。 以上より、学区社協を含む団体や学区外の有志を含まない団体で小学校区の範囲内での支援のベースとなる件数を庭掃除・剪定や家の中の掃除等で確保し、学区社協を含まない団体で外出同行等の支援で学区より広い範囲での支援や、団体の活動期間の継続により支援件数を伸ばすことが期待できることを明らかにした。 上記の他、多変量解析で用いなかった項目も含めて一覧とした分析では、支援範囲が学区より広い団体では、年間運営費用30万円以上、メンバー平均45人、事務室あり、支援料金平均1938円/回であった。支援件数が多い団体では、活動期間20年以上、準備資金、年間運営資金30万円以上、メンバー平均57人、事務室あり、支援料金平均1909円/回であった。 また、先進的ボランティア団体のうち1団体が18年支援開始からの記録を得ることができた。1 件毎の個別の支援作業毎の、作業内容、被支援高齢者の年齢/要介護度/住所地、支援者宅住所地等をデータベース化を進めており、24年度に分析を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
第1段階での団体へのアンケート調査は十分な成果を得ることができた。一方第2段階の、各団体の支援記録の分析については1団体目、この研究の契機となった地域のまちづくり活動を共にしてきた団体代表が、この活動を10年続けてつかれたため活動を休止するとのことで、各種の事務的活動も止めてしまい、改めて数度の依頼を試みたが断られ、活動記録を得ることができなかった。この点が申請時には想定できなかったことであった。このため2団体目と想定していた団体に交渉を移し、支援記録を5000件強得ることができ、24年5月時点で第一段階のデータベースとすることができた。この中で分析に用いることのできるデータがどれだけあるかこれから精査を進め順次分析を進めるが、当初予定からは初年度所属の異動があったことを含め、分析に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
研究協力者である修士の学生1名と十分な議論を進め分析を進める。分析に必要なソフト、地図データベースは23年度末手配で手元にあり、順次分析を進め、分析上可能となること、その限界を、団体代表に支援記録台帳の記録の考え方の確認を入念に行って分析に臨む。また、申請当初予定していた団体から活動記録の提供を断られたので、改めて別の団体にも交渉を始めることを考えているが、交付初年度、研究開始時点での研究代表者の所属の異動の影響もあり、研究期間の延長も想定しなければならないかもしれないと考えている。 一方、既に得た団体の支援記録は分析を始める前の素データベース段階で5000件ほどあり、これだけでも分析に耐えるだけのデータとなるとは考えているところである。
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