研究課題/領域番号 |
22K01979
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 神奈川県立保健福祉大学 |
研究代表者 |
吉中 季子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 准教授 (70434800)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | シングルマザー / 公的年金制度 / 第3号被保険者 / 高齢単身女性 / 女性の貧困 / 寡婦 / 高齢女性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、高齢期における女性の貧困の背景にある要因を探るために、女性のライフステージごとの社会保障制度の利用状況を可視化することを目的としている。そのために、中高年期にあり、かつ世帯の変化を経験した「かつて」のシングルマザーあるいは寡婦と呼ばれる女性たちを対象に、公的年金制度の加入と給付の実態を明らかにする。そのことによって、①いまなおある性別役割分業の社会的慣習が及ぼす弊害、②女性たちの子育て時期からの就労問題及び年金制度加入のアクセスの問題、③公的年金の普遍的な機能に関する制度的不備、④コロナ禍以降に明らかになった制度の矛盾を探る。
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研究実績の概要 |
研究の初年度のである本年度は本研究の理論的整理を行っている。 第1に、前回の科研の研究の継続としてのひとり親のライフコースのインタビューを実施するのと並行し、ライフコース論においての知見を整理し、インタビュー後の分析視点を明確にした。 第2に、公的年金制度の成立過程における女性の位置づけなどを制度史関係の資料を基に整理した。 それらを踏まえ、コロナ禍の状況を見据えつつ、本年度の件数は少ないもののインタビューを継続している。昨年度までに実施したアンケート調査と、インタビューの結果から第3号被保険者の加入歴のある女性とそうでない女性の分析を試みた。分析は、単身高齢女性の貧困の現状を念頭におきながら、シングルマザーの公的年金加入をめぐる諸問題を取り上げた。そのために、シングルマザーを対象とした生活実態調査(アンケート調査、聞き取り調査)の結果から、シングルマザーになる前と後での年金加入の変化を分析した。その分析からは、高齢期の低年金が予測され、その要因として、離婚や死別と同時に年金加入の移動が強いられ、細切れ的で不安定な加入になっていること、自分の将来の年金より現在の子育ての生活を優先しているように見えること、年金加入に対する認識の低さなどが明らかになった。また、いわゆる第3号被保険者制度の評価に関していえば、離婚前の専業主婦のメリットが、離婚後はデメリットに転化し、結果として安定した年金加入の困難に帰結していることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍により、今なおインタビューへの抵抗があるため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、インタビューを進めていきたい。また、対象をシングルマザーのみならず、子どもが成人した後の寡婦についても対象を広げ、インタビューを行うつもりである。
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