研究課題/領域番号 |
22K01981
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
|
研究機関 | 静岡文化芸術大学 |
研究代表者 |
小林 淑恵 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 准教授 (70726116)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 障害者 / ライフコース / 教育から社会への移行 / 福祉制度 / 社会的資源 / 地域福祉 / 親なき後 / 親の会 / パネルデータ / 社会資源 / 障害児 / 世帯 |
研究開始時の研究の概要 |
障害児・者の教育段階から就業への移行、またその先の生活状況については、未だ不透明な部分が多い。そこで本研究では回顧形式の質問を含む「障害児・者と家族の生活調査」を実施し、毎年のパネルデータを構築することで、初職の選択、離職、転職、離家、自立といった障害児・者のライフコースにおける選択行動のタイミングや規定要因について分析し、定位家族の社会的・人口学的状況や、障害児・者への関わり方を考慮しつつ、その傾向や問題点を明らかにすることを試みる。これにより障害のある者の長いライフコースを通じた生活の保障と、多様性の確保、また特に親亡き後の生活面、精神面での必要な支援制度の検討に資することを目的とする。
|
研究実績の概要 |
本研究は、主に知的障害がある方の教育から社会への移行と就労状況、また親元からの自立(離家)の状況とその規定要因等を明らかにすることを試みるものである。令和5年度には、調査会社を競争入札によって選定し実査を行い、データの収集、集計まで行った。以下にその内容について詳しく述べる。まず前年度までに検討していた調査票の最終版を確定し条件付けを行うと共に、倫理審査委員会で指摘のあった個人情報の取り扱いについて慎重な検討を行った。次にWEBシステムの構築、調査依頼文、同意確認文等、調査に必要な準備を行った。実査は「障害のある方のライフコースと親なき後の生活に関する調査」としては関連団体やネットワークを通じて2024年1月~3月まで行い、あわせて紙媒体の調査票でも実施した。対象者は、知的障害等のある方(2005年3月以前に生まれた、18歳以上の方)の生活を、日常的にサポートしている保護者、または事業所・施設等の職員の方とした。調査内容は、1)基本情報(本人と回答者の年齢、性別、療育手帳、精神手帳、区分)2)住まい・自立、3)教育歴、4)就労・収入、5)福祉制度利用状況、6)親世帯に関する情報、である。 最終的に合計343名の方にご協力頂き、有効回答数は331,有効回答率96.5%となった。予想以上にweb調査での回収は難しく、都道府県では研究代表者と関連の深い地域(東京都と静岡県)に集中している。紙媒体での調査回答のデータ化をすると共に集計を行い、結果はホームページに掲載している。 今後、データの追加の検討、また分析を深め、障害がある者の自立の状況、親なき後も安心して暮らすための準備に関する情報を整理すると共に、障害福祉施策、制度の改善等に資する知見等を示す予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年は、協力団体との信頼関係の構築や調査実施のための基本的な情報収集に相当の時間を要し、進捗状況としては「やや遅れ」となったが、今年度は実査までを順調に行い、単純集計結果の公表まで至ったことで、「おおむね順調に進展している」と言える。調査委託会社の選定は一度入札不調となったことでスケジュールを圧迫し、最終的に何度末ギリギリまで調査を延長して実施することになったが、短い期間で最善を尽くし、WEBシステムの構築から調査準備までを終えることが出来た。昨年度までに関連団体(親の会)等との共同活動としてワークショップなどを実施していたことで、信頼関係が構築されていたことも功を奏したと言える。
|
今後の研究の推進方策 |
データ数を増やすため、また令和5年調査で回収したデータは、研究代表者とつながりのある地域(静岡県、東京都)に集中しているため、調査会社の既存モニターから2次抽出する形での調査を追加することを検討している。データが固まり次第、分析を深め、障害がある者の自立の状況、親なき後も安心して暮らすための準備に関する情報を整理すると共に、障害福祉施策、制度の改善等に資する知見等を示す予定である。分析結果は学会等での発表を予定しており、また調査に協力頂いた諸団体については随時フィードバックを行う予定である。
|