研究課題/領域番号 |
22K01988
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 明星大学 |
研究代表者 |
縄岡 好晴 明星大学, 人文学部, 准教授 (80850726)
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研究分担者 |
山口 明乙香 (山口 明日香) 高松大学, 発達科学部, 教授 (00633257)
前原 和明 秋田大学, 教育文化学部, 教授 (00840365)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / BWAP2 / アセスメントツール / 職業リハビリテーション / 職業準備性 |
研究開始時の研究の概要 |
自閉スペクトラム症者(以下ASD者)への就労支援では、社会性・コミュニケーションの困難さが挙げられるが、実際の支援として有効な支援指標が明確になっていない現状がある。 そこで本研究では、ASD者の就労支援上の課題を職業準備性の視点から整理することを目的に、文献研究や半構造化面接、またそれにより得たデータの質的分析及び量的分析をおこなう。また、介入研究も実施し、一般就労への移行を補助するアセスメントツールの検討と実践的活用に向けたモデル事例の開発をおこなう。
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研究実績の概要 |
本研究では、一般就労への移行を支援するアセスメントツールの要素を検討するために、① ASD者の就労支援に関する現状と課題を把握するための先行研究のレビュー ② 先行研究で取り上げられた効果的な就労アウトカム測定ツールであるBWAP2(Backer Work Adjustment Profile 2)の実践事例を実施した。 ①については、ASD者が職場で遭遇する主要な課題として、コミュニケーションと対人行動の困難があり、これが就職後も離職につながることが多くの研究で指摘されている。合理的配慮として推奨される措置には、刺激の少ない職場環境の整備、明確な指示の提供、勤務時間の柔軟な設定などが含まれた(Petty et al)。これにより、ASD者が一部の職業技能で高い能力を示していても、その他のスキルが社会生活に適応するのを阻害していることが明らかになり、社会生活や職業生活で求められる能力を評価するアセスメントの実施が重要であることが確認された。 ②については、先行研究で有効と紹介されたBWAP2を用いた実践事例を実施し「Work Habits/Attitude」「Interpersonal Relations」「Cognitive Skills」「Work Performance Skills」の4つの下位領域のばらつきを評価し、ASD者の就労上の課題をより明らかにすることができた。さらに、放課後デイサービス事業所、学校、就労支援機関といった就労アセスメントを通じての他機関連携の在り方についても考察した。これらの多様な支援環境が連携し、ASD者が職場で適応する上で課題となりやすいソフトスキルに対して、早期的に包括的な対応ができることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は、一般就労への移行を支援するアセスメントツールの要素を検討するために、就労支援従事者に対し、インタビュー調査を行い、質的調査で確認し、論文を投稿する予定であった。しかし、スケジュール調整の関係で、訪問調査の実施が難しくなり、投稿論文は2024年実施へと延期した。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度を最終年度とし、質的調査で明らかとなった要因から、質問紙を作成し、量的調査を実施する。そして最終的には、国が実施している「就労選択支援事業の養成研修」のカリキュラムの検討資料として役立たせていく予定である。
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