研究課題/領域番号 |
22K01993
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
鈴木 良 同志社大学, 社会学部, 教授 (90615056)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2026年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | スウェーデン / パーソナルアシスタンス / 事業所関与型 / 協同組合 / 障害者 / 意思決定支援 / 質的調査 |
研究開始時の研究の概要 |
障害者のパーソナルアシスタンス(以下、PA)制度の研究における重要な学術的問いの一つは、PA制度利用者の支援形態を比較することによって意思決定支援が求められる障害者の支援方法とは何かを明らかにすることである。 本研究では、PA制度の支援形態を1)協同管理型、2)組織管理型、3)本人管理型、4)家族管理型に仮説的に分類した上で、各支援形態の利用者の特性・環境的条件・支援機能・効果/課題を明らかにすることを研究目的として設定した。研究方法は1)と2)の支援組織を歴史的に発展させてきた北欧と、3)と4)のネットワークを歴史的に発展させてきた北米及び日本における事業所/関係者を対象に質的調査をする。
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研究実績の概要 |
今年度は、これまで行ってきたスウェーデンのパーソナルアシスタンス制度に関わる文献研究とインタビューによる調査研究の結果内容を整理・分析して、スウェーデンのパーソナルアシスタンスの意思決定支援制度の仕組みを整理した。 この結果、スウェーデンは事業所が関与する意思決定支援の形態が一般的であることを明らかにした。すなわち、社会保険事務所という国の支給決定を受けた利用者のパーソナルアシスタンスの利用実態を統計データから分析すると、スウェーデンでは、利用者が自ら給付金を管理し、パーソナルアシスタントを直接雇用するのは、わずかに過ぎないことが明らかになった。また、多くは企業やコミューンと呼ばれる自治体、場合によっては自立生活センターのような協同組合の仲介でパーソナルアシスタンスを利用することが分かった。 スウェーデンの自立生活センターは協同組合という形態を取っている。すなわち、利用者が給付金を自己管理するのではなく、協同組合が給付金の管理を支援するという形態である。具体的には、パーソナルアシスタントへの給与の計算、支払い、税の控除、書類提出、保険の支払い、行政との交渉などの対応を協同組合の各部署が担当、行政との交渉や裁判での訴訟の際には顧問弁護士が支援をするという形態であることが明らかになった。知的障害者の場合は、パーソナルアシスタントの募集、採用、勤務調整、コンフリクトの解決、緊急時の対応などはパーソナルアシスタントがその役割を担い、それに応じた給与を得ることが明らかになった。 パーソナルアシスタンスの制度上の課題としては、1)介助者の勤務調整の問題、2)家族の関与が過剰になるという問題、3)権利擁護にかかわる問題、4)雇用の保障という課題、5)パンデミックとパーソナルアシスタンスの課題があることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、研究費を通して、これまで実施してきたインタビュー調査のデータを文字起こしすることが可能になり、また、スウェーデンの政府や各事業所が発表しているインターネット上の情報や文献を収集することが可能になった。 これらの文献研究及びインタビュー調査のデータを整理・分析することを通して、スウェーデンのパーソナルアシスタンス制度の特徴と課題を整理することができた。 とりわけ政府が発行している統計データの分析を通して、スウェーデンの意思決定支援の形態が、自己管理型ではなく、事業所関与型であることを明らかにした点は重要である。また、インタビュー調査のデータに依拠して、自立生活センターによる協同組合の意思決定支援の特徴を明らかにしたことは本研究の問いを明らかにする上で重要だった。 さらに、パーソナルアシスタンス制度の課題を明らかにすることもでき、こうした課題を解決するために、どのような意思決定支援のあり方が求められるのかということを考える上で重要な成果となった。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、日本の事業所関与型パーソナルアシスタンス制度である重度訪問介護の利用形態における意思決定支援のあり方について整理したい。とりわけ医療的ケアの必要な重度障害者が事業所のどのような意思決定支援を受けながら、自立生活を行うことを可能にしているのかということを調査し、分析したい。 2024年度は、日本の札幌市のパーソナルアシスタンス制度の歴史・制度・支援の実態についてインタビュー調査や文献調査の結果に依拠して、整理する予定である。 2025年度は、カナダのパーソナルアシスタンス制度の歴史・制度・支援の実態についてインタビュー調査や文献調査の結果に依拠して、整理する予定である 最終年度は、カナダ・スウェーデン・日本のパーソナルアシスタンス制度の国際比較を行い、研究の問いに対する解を明らかにしたいと考えている。
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