研究課題/領域番号 |
22K02003
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
深井 英喜 三重大学, 人文学部, 教授 (10378276)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 地域の就業構造 / 社会関係資本 / 地域福祉 / 相談支援 / 地域支援 / 互助 / 地域共生社会 / 構造変化 |
研究開始時の研究の概要 |
地域共生社会構想に基づく地域の課題解決力(互助機能)の再構築を検討するために、人口構造および人口動態が地域の互助機能に及ぶ影響、さらに、地域の産業構造および住民の就業構造の変化が人口構造や地域の互助機能に及ぼす影響を、三重県志摩市をフィールドとして実証的に検討する。
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研究実績の概要 |
この年度は、国勢調査のデータを使った産業別就業者数の変化から見る産業構造の変化を追う作業を、三重県内全体に拡大して検証を行なった。全体として見られる傾向は、第一に第1次産業部門従業者数の減少、第二に製造業および建設業部門の従業者数の減少傾向、第三に卸売・小売産業部門および飲食・宿泊業部門について、正規雇用から非正規雇用への従業上の地位の転換、そして第四に医療・福祉部門における主として非正規雇用形態での従業者数の増加、の4点である。全体としてこれら4つの特徴が見られたが、それぞれの特徴展の深化の具合には地域による相違が見られた。推測では、おそらく地域の経済・雇用状況の影響を受けた相違だろうと思われる。 この、地域の経済・雇用状況による影響から生じるものと思われる相違は、イギリスの地域社会経済研究などでも指摘されている。イギリスの地域研究ではさらに踏み込んで、不安定雇用が増加した地域において、住民の職業アンデンティティの形成と維持が阻害されて住民の孤立が進み、地域住民の政治的な社会的排除が進んだことが報告されていた。これらのイギリスの地域研究のなかで、住民の雇用の不安定化や非正規化が進むことによって、人々の階級的な共同体意識が弱まり、そこに緊縮的な政府による福祉政策の影響が加わることで人々の個人主義的規範が強まり、地域の社会関係資本が弱体化したことが指摘されており、この視点・分析は本研究にも取り入れたい先行研究であった。 現在、これらのデータや先行研究を用いた考察を踏まえつつ、志摩市や度会町などのこれまでに関係のある自治体においてヒアリング調査を準備している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予定していたヒアリング調査の準備に手間取り、ようやく調査のための協力自治体と調査についての打ち合わせに入れた状態である。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度の上半期に可能な限りヒアリング調査を遂行していく予定である。 現時点では調査対象の市町が、これまでに関係があった県中勢南部地域の市町に限られているのが課題である。もう少し地域の多様性を確保できるように努力を試みるつもりである。
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