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児童養護施設退所者の「多様な親密圏の担保」に向けた施設による支援の再考

研究課題

研究課題/領域番号 22K02004
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分08020:社会福祉学関連
研究機関高崎経済大学

研究代表者

原 史子  高崎経済大学, 地域政策学部, 教授 (20300147)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
キーワード社会的養護 / 親密圏 / 複層的構造化支援 / 児童養護施設 / 要保護児童対策地域協議会 / 依存の脱・私事化 / 居場所
研究開始時の研究の概要

本研究は、児童養護施設等退所者の主体的な生活の実現にむけた支援の在り方を、親密圏との関わりの中で検討することを目的とする。ここでいう「親密圏」とは、「具体的な他者の生/生命-とくにその不安や困難-に対する関心/配慮を媒体とする、ある程度持続的な関係性をさすもの」(齋藤2003:213)であり、家族も含むが家族のみに限定するものではない。
児童養護施設等への入所から退所までを一連の過程として位置づけ、入所前・入所中・退所後の各局面での「親密圏」を軸とした支援の構築・整備が必要であるとの仮説に基づき、親密圏を維持・再構築・形成し、多様な親密圏を担保する具体的な支援と意義について実証的に研究する。

研究実績の概要

研究2年目となる2023年度は、市区町村の子ども家庭支援体制の現状をふまえ、児童養護施設等入所前の段階で地域において先駆的な実践を展開している施設・機関への聞き取り調査や先行研究をもとに要保護要支援児童の親密圏を軸とした支援のモデル化を試み、施設入所中の適用可能性を検証することを予定していた。しかし新型コロナウィルスの影響による調査計画の遅れおよび前年度に実施したモデルとなる地域への調査結果の知見をふまえ、当初予定していた複数の調査の妥当性を検討し、調査計画全体の見直しを行った。
前述のモデルとなる地域は重層的な支援が、定位家族のある地域でのコミュニティを基盤として形成されているという独自の条件を有しており、当該事例固有の条件の下に成立していると判断した。この知見をふまえ【調査1】【調査2】を全面的に見直し、広域(県レベル)での繋がり(親密圏)の複層的構造化支援のモデル化を検討することとした。具体的には、【調査4】として計画していた退所者支援のアフターケア事業所(社会的養護自立支援拠点事業を受託している事業所)の調査の一部を優先し、当該事業所の理事会、委託事業者である県の担当課への協力依頼も行い協力を取り付けた。
当該事業所は、社会的養護自立支援事業が制度化される前から実践を積み重ね、県域において様々なネットワークを形成し退所者支援を実施してきている。親密圏の複層的構造化支援の広域(一県レベル)での実践事例とするべく、各種事業や関係機関等の協働の場の聞き取り調査および参与観察を実施し、その全体像の把握に努めた。これに伴い施設の「親密圏の維持・再構築・形成と多様な親密圏の担保」における役割について、地域特性を踏まえた複数の施設を対象とする調査として実施を計画していた【調査3】の対象も当該事業所の位置づけが広域(県)レベルであることから、当該県の施設を対象として進める予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

【調査3】として2022年度より児童養護施設において、施設の「親密圏の維持・再構築・形成と多様な親密圏の担保」における役割について調査を開始したが、2022年度は新型コロナウィルスの影響により施設に立ち入りができない期間があり調査の進捗状況が遅れていた。さらにその後、調査依頼先施設の建替え移転などの事情により調査の継続が困難となり、予定していた調査ができなくなり調査計画全体を見直し修正せざるを得なくなった。また前年度調査による知見を踏まえた調査枠組みの変更を行い、新たな調査枠組みに基づく調査協力を取り付け行った。これらが進捗状況の遅れている要因である。

今後の研究の推進方策

【調査4】は当初、退所者支援のアフターケア事業所および施設退所者の当事者組織への郵送質問紙調査および聞き取り調査を予定していたが、実績のある事業所において調査の実施が可能となったため、親密圏の複層的構造化支援の広域(県)レベルでの実践事例として位置づけ、参与観察および聞き取り調査を中心とし、事業所利用者へのインタビューも含め、質的な調査を実施する。さらに【調査3】では、地域特性を踏まえた複数の施設を対象に聞き取り調査を実施することとしていたが、調査対象のアフターケア事業所との関連性を把握することを軸とし、広域(県)レベルで複数の施設を対象に聞き取り調査を実施することとする。
上記調査に取り組むと同時に、学会発表や論文執筆等によって調査研究の成果をまとめていく予定である。なお、今後も研究計画書を基本とするが、適宜調査計画の修正を行いつつ研究を推進する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 「新しい社会的養育ビジョン」にみる「家庭養育優先原則」とその課題 -支援における重層的な「親密圏」形成への視点から-2023

    • 著者名/発表者名
      原 史子
    • 雑誌名

      産業研究

      巻: 58 号: 2 ページ: 35-53

    • DOI

      10.20635/00001333

    • ISSN
      0915-5996
    • URL

      https://tcue.repo.nii.ac.jp/records/1391

    • 年月日
      2023-03-31
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 要保護要支援児童の親密圏を軸とした支援のモデル化の試み2023

    • 著者名/発表者名
      原 史子
    • 学会等名
      日本地域福祉学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書 2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 要保護要支援児童の支援における重層的な「親密圏」形成への視点-「家庭養育優先原則」と市区町村の子ども家庭支援体制の構築をめぐって-2023

    • 著者名/発表者名
      原 史子
    • 学会等名
      日本社会福祉学会関東地域部会研究大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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