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児童養護施設の高機能化及び多機能化に関する実践モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 22K02022
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分08020:社会福祉学関連
研究機関立命館大学

研究代表者

石田 賀奈子  立命館大学, 産業社会学部, 教授 (50551850)

研究分担者 和田 一郎  獨協大学, 国際教養学部, 教授 (10711939)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード児童養護施設 / 社会的養護 / ソーシャルワーク / 子ども家庭福祉 / 社会福祉 / 幼少期逆境体験 / アフターケア / リービングケア
研究開始時の研究の概要

児童が虐待等の幼少期の逆境的な体験(ACEs)を有することは、成人後の心身の健康に深刻な影響を与えることがこれまでの研究で明らかとなっている。本研究は「児童養護施設において、逆境的な体験の影響を軽減するための入所中のケアおよびアフターケアはどのように行われるべきか」という問いに応えるための実践モデルの構築を目指す。児童養護施設を対象としたアンケート調査と、児童養護施設を経験した成人へのインタビュー調査を通して、逆境的な体験からの回復のために必要なポジティブな体験の内容を明らかにし、子どもの回復に効果的なポジティブな影響を与える体験を反映させた児童養護施設での支援モデルの構築を試みる。

研究実績の概要

「児童養護施設において、幼少期逆境体験(以下:ACEs)を軽減し、社会生活上の困難に介入しうるアフターケアにつなぐ支援のあり方」をリサーチクエスチョンとして、今年度取り組んだ各課題の進捗状況は以下のとおりである。
①児童養護施設の入所児童の幼少期逆境体験に関する実態調査では、アンケート調査の実施に向けて、1)逆境的体験の成人後の影響に関連する文献研究、2)実態調査実施に向けた質問紙の作成を行った。1)では、幼少期逆境体験の成人期での心身の健康への影響を明らかにするとともに、逆境体験があるにもかかわらず、成人期の健康を保持するために必要なケアについて検討した。2)では、1)の結果をふまえ、分担研究者や研究協力者とともに質問紙案を作成した。実施については後述するが、24年春の児童福祉法改正による体制の変化を把握するために24年度に配布することとし、②の課題の精緻化に焦点をあてて取り組んだ。
②児童養護施設における家庭支援専門相談員や里親支援専門相談員、自立支援コーディネーターといった専門職の職務実態に関する調査では、①と合わせて実施するために、1)児童養護施設の専門職の職務に関する文献研究を行い、2)1)の結果をふまえ、分担研究者や研究協力者とともに質問紙案を作成した。また、24年度の法改正において児童養護施設にも影響する意見表明等支援やアフターケアについて③ACEsの影響の軽減に作用するポジティブな経験の中身を明らかにするための児童養護施設での生活を経験した成人へのインタビュー調査1)社会的養護経験者を対象とした先行研究のレビューを行い、2)インタビュー調査に着手した。
①、②に関しては2024年度に質問紙調査を実施できるよう倫理審査に向けて実施している。③については引き続きデータ収集をしながら、分析を続け、ACEの影響を軽減するポジティブな体験の構成要素について明らかにしていく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2022年の児童福祉法改正において、社会的養育経験者・障害児入所施設の入所児童等に対する自立支援の強化が図られることが盛り込まれた。児童自立生活援助の年齢による一律の利用制限を弾力化するため、社会的養育経験者等を通所や訪問等により支援する拠点を設置する事業が創設される。また、児童養護施設の入所等に際しての児童の意見表明等支援も2024年の施行に向けた準備が行われている。その実態も含めて把握すべきと判断したため、24年度の調査実施と変更した。インタビュー調査の進捗を鑑みれば、「おおむね順調である」としてもよいのかもしれないが、質問紙調査の実施が最終年度になったため「やや遅れている」とした。

今後の研究の推進方策

研究成果の発信については、これまでの研究成果および研究会の討議内容は、日本子ども虐待防止学会にて報告し、学術的な精緻化を図る。また、論文化して学会誌等への投稿を進めていく。そのほか、専門的知識の提供に応じてくださった施設等を中心に研究成果の還元を図り、実践への還元を図っていく。
残っているアンケート調査を遂行することと、インタビュー調査もサンプル数を増やし、社会的養護を経験した成人の困難の軽減に寄与する要因を明らかにしていく。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 逆境体験を経て大人になる子どもへの支援2024

    • 著者名/発表者名
      石田賀奈子
    • 雑誌名

      季刊ふくしと教育

      巻: 38号 ページ: 26-29

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 【人材確保の未来を考える】福祉においてDXがなぜ必要なのか-「Socialwork is Datascience」の視点から2024

    • 著者名/発表者名
      和田一郎
    • 雑誌名

      月間福祉

      巻: 107(1) ページ: 17-20

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 児童自立支援施設入所児童の児童期逆境体験に関する基礎的研究2023

    • 著者名/発表者名
      鈴木勲, 太田研, 和田一郎
    • 雑誌名

      社会保育実践研究(名寄市立大学保健福祉学部社会保育学科)

      巻: 7 ページ: 21-30

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 児童養護施設を経験した若者の幼少期逆境体験に関連する要因2022

    • 著者名/発表者名
      石田賀奈子
    • 雑誌名

      厚生の指標

      巻: 69(12) ページ: 16-22

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 児童期逆境体験が学校生活に与える影響に関する検討2023

    • 著者名/発表者名
      大澤ちひろ、石田賀奈子、和田一郎
    • 学会等名
      日本子ども虐待防止学会第29回学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 大学における生活に困窮した大学生への支援の実際 -コロナ禍の影響を含む横断調査の結果に基づいて2023

    • 著者名/発表者名
      長沼洋一、長沼葉月、石田賀奈子
    • 学会等名
      日本社会福祉学会第71回秋季大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ACEを経験した子どもの理解とアドボカシー~児童福祉におけるアドボカシー活動の専門性の確立にむけて~2023

    • 著者名/発表者名
      石田賀奈子・山田宗寛・小林哲生
    • 学会等名
      日本子ども虐待防止学会第29回学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 市町村レベルでの親子支援の現状についての報告 ―3年間の市町村調査を元に―2022

    • 著者名/発表者名
      大澤ちひろ,和田一郎,石田賀奈子
    • 学会等名
      日本子ども虐待防止学会 第28回学術集会ふくおか大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 子どもの意見表明支援のこれから~児童福祉におけるアドボカシー活動の専門性の確立にむけて~2022

    • 著者名/発表者名
      石田賀奈子,和田一郎,伊藤嘉余子,西村英一郎
    • 学会等名
      日本子ども虐待防止学会第28回学術集会ふくおか大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 基礎から考える社会保障2024

    • 著者名/発表者名
      石田賀奈子(村田隆史・曽我千春・ 長友薫輝編集)
    • 総ページ数
      310
    • 出版者
      自治体出版社
    • ISBN
      9784880377636
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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