研究課題/領域番号 |
22K02024
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
平尾 昌也 関西学院大学, 人間福祉学部, 助教 (60823862)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ソーシャル・ファーム / 地域共生社会 / 地域福祉 / まちづくり |
研究開始時の研究の概要 |
地域共生社会の実現が求められる中で、障害者をはじめとした働きづらさを持つ人々(以下、就労困難者)への雇用の創出と、地域福祉の推進の必要性が高まっている。地域社会で生活を継続するために経済的基盤の確保は不可欠であり、就労困難者が働く場の創出は急務である。欧州では、これらの課題解決の担い手として労働統合型社会的企業(以下、WISE)が注目されている。本研究では、WISEの中でも就労困難者を直接雇用を目的とするソーシャル・ファームに焦点を当てる。
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研究実績の概要 |
当該年度においては、ソーシャル・ファーム(Social Firm)に関する文献や資料による文献研究を中心的に実施してきた。またソーシャル・ファームが、なぜ社会の中で必要とされているのかという問いを立て、必要とされる社会的かつ政策的背景に関する文献研究も同時に進めてきた。障害者などのソーシャル・ファームの対象となる人々は、経済的側面で困窮しているだけでなく、地域社会とのつながりやネットワークが薄く、いわゆる社会的孤立に陥りやすい状況であることが明らかとなった。働くことを通して地域社会とのつながりを生み出すソーシャル・ファームは経済的・社会的の両側面へアプローチする実践体としての価値が明らかとなった。 当初の予定では、文献研究と並行してインタービュー調査を予定していたが、新型コロナウィルス感染症の感染状況の影響で、現地に赴くことが難しい現実としてあった。オンラインでのインタビューも検討したが事業所運営者だけでなく、障害者や働きづらさを抱える当事者の方々や地域社会の活動者や支援者へのインタビューを合わせて行うことを踏まえると現実的な選択ではなかったために実施することができなかった。2023年度には新型コロナウィルス感染症の影響も緩和される見込みであるため、積極的にインタビュー調査を進めていきたい。 今後の研究の展開では、これまでの先行研究を踏まえてインタビューガイドを再考し、事業所等の運営者や、そこで働く障害者などに対して調査を実施する。これに加えて、地域社会と関連のある活動団体等や行政関係者へのインタビューも検討する。様々な立場や視点からソーシャル・ファームがどのように受け止められているのか、そこに至るまでの関係づくりのプロセスなどに焦点化しながら、ソーシャル・ファーム実践について研究を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症の感染状況と社会的不安によって、インタビュー調査を実施することができなかったことが最大の要因である。感染状況は落ち着きつつあったが、感染リスクへの不安が大きく、現地に赴いての調査を実施することが困難な状況であったため、研究全体の進捗としては大幅な遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究最大のポイントとなる、インタビュー調査の対象となる事業所(主に障害者就労継続支援A型事業所)の感染状況や、それに伴う不安などに関して丁寧なコミュニケーションを通して調査実施に向けた調整を行う。また、調査対象地に関しても、できる限り近隣で行うことができるように検討しながら、綿密な調査ができるように選定と実施を進める。 インタビュー調査によって得られたデータの分析を進めながら、先行研究で明らかとなった客観的事実とを照らし合わせつつ、今後のソーシャル・ファーム実践のあり方や展開について検討を進める。
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