研究課題/領域番号 |
22K02037
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 駒澤大学 (2023) 福岡県立大学 (2022) |
研究代表者 |
鬼塚 香 駒澤大学, 文学部, 准教授 (60735992)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | ソーシャルワーカー / グループホーム / 日常生活支援のなかの専門性 / クライエントとの関係性 / 迷いつつの支援 / 精神保健福祉士 / 専門性を伝える難しさ / ソーシャルワーク実践 / 日常生活支援 / 障害者福祉 / ソーシャルペダゴジー / デンマーク |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は大きく3点に分けられる。 1点目は、国内外の先行研究レビューと調査項目の精査である。わが国のソーシャルワークとケアワークの関係性、ソーシャルペダゴジーに関する資料レビューから、現時点での到達点と課題を確認し、調査の焦点を絞る。 2点目は、デンマークおよび日本における調査である。調査項目に沿って実践現場観察や実践者へインタビューを行い、用いられる技術や知識、根拠となる価値観等を明らかにする。 3点目は、日本とデンマークの調査結果の比較検討を通した理論化である。このことを通じて、わが国において障害者の日常生活支援が専門性に基づくものであること、世界にも通じるものであることを示す。
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研究実績の概要 |
本研究は、わが国の障害福祉分野におけるソーシャルワーク実践のなかでもクライエントの日常生活支援で用いる知識や技術について、デンマークのぺダゴーによるクライエントの日常生活支援と比較検討しながら、理論化を進めることを目指している。 2023年度は、前年度に承認を得た倫理審査に基づき開始した国内の障害者グループホームに勤務するソーシャルワーカー(国家資格有)へのインタビュー調査を終了し、デンマーク調査に向けて現地との調整を開始した。 インタビュー調査の結果を現在も分析中であるが、前年度に得られた知見以外で、現時点で明らかになったことは以下のとおりである。すなわち、①グループホーム世話人が行うクライエントの日常生活支援は、他機関が引き受ける支援以外のクライエントの生活にかかわるすべてのニーズに対応する幅広いものであるということ、②世話人は絶対的な正解がないなかで常に迷いつつ支援を行っていること、③ソーシャルワーカー養成機関で学ぶ専門的な知識や技術を前提とし、時間と経験の積み重ねのなかで支援が充実してくること、④ソーシャルワーカーとして、クライエントとの間に築く関係性が本人主体の支援においては重要であると考えていること、などである。 インタビュー調査の分析結果は、2024年6月に開催される日本キリスト教社会福祉学会において研究発表する予定である(エントリー済み)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画当初は、先にデンマークでの現状を把握したうえで、国内での調査を計画する予定であった。しかし、研究代表者の所属先変更があり、国外調査の準備が不十分となり国内調査を先に実施することになった。 インタビュー調査が依頼した人数分終了し、現在は分析作業を行い、研究結果の発表も学会内で予定している。 同時に、次年度のデンマーク調査に向けて、現地の関係者との調整も始まり、2024年9月に調査に赴ける可能性が非常に高いところまで進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今年度前半のうちに、国内調査の結果をまとめ、わが国の障害者福祉分野で働くソーシャルワーカーの日常生活支援に含まれている専門性の現状と課題について明らかにする。 そのうえで、2024年9月にデンマークでの調査を実施し、デンマークのペタゴーと日常生活支援に含まれる専門性の現状や課題について意見交換する計画である。 上記2つの調査が終了したら、結果の比較検討を行い、わが国のソーシャルワーカーの日常生活支援の中にある専門性を他者に伝えたり共有したりするための言葉を仮設定していく。また、それらの妥当性を検討するために、ソーシャルワーカーやソーシャルワーカーと一緒に働く支援者たちに協力を求める予定である。
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