研究課題/領域番号 |
22K02043
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
|
研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
古川 和稔 東洋大学, ライフデザイン学部, 教授 (90461730)
|
研究分担者 |
窪田 佳寛 東洋大学, 理工学部, 准教授 (00614629)
石山 麗子 国際医療福祉大学, 医療福祉学研究科, 教授 (80826454)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | ケアマネジャー / 在宅要介護高齢者 / 重度化予防 / 在宅生活継続 / ケアマネジメント支援システム / ADL改善・重度化防止 / 要介護高齢者 / ICT |
研究開始時の研究の概要 |
要介護高齢者の在宅生活継続においては、多職種による包括的な支援が必要である。しかし、居宅サービスにおいては、各事業所間とケアマネジャーとの情報共有のしくみが欠如しており、迅速かつ適切な介入が難しい。そこで、介護サービスを提供している複数の事業所間とケアマネジャーが情報を共有できるシステムが必要との結論に至った。 本研究では、居宅介護サービス事業者がサービスを提供する度に、その時の利用者の状態を簡単に入力できるアプリを開発し、そのアプリから得られたデータをクラウドで一括管理したうえでAIを用いて分析し、重度化が予測される場合には、担当の居宅ケアマネジャーに自動的にアラートするシステムの開発する。
|
研究実績の概要 |
2022年度は、「ADL低下を予見するために必要なモニタリング項目の検証」を目的に、全国の居宅介護支援事業所に勤務するケアマネジャーを対象にしたアンケート調査を実施した。調査の概要は以下の通りである。 2022年5月13日から2022年7月10日の期間に調査を実施した。全国の居宅介護支援事業所30,631事業所を、都道府県および政令指定都市別の人口比例配分で割り当てたうえで、無作為に1,000事業所を抽出した。この1,000事業所に3通ずつ、ケアマネジャー宛ての質問票を郵送することにより、3,000名のケアマネジャーを対象とした。厚生労働省老人保健事業推進費補助金(老人保健健康増進等事業)によって開発された「適切なケアマネジメント手法 基本ケア及び疾患別ケア」を元に、研究代表者および研究分担者にて質問内容の検討を行い、「ケアマネジャーとして介護サービス事業者から得たい情報」として73項目を抽出した。回答の選択肢は、ものさし付き5件法とした。さらに、利用者のADL低下予防の観点から、介入すべき緊急性が高いと考えられる項目を質問するために、議論を重ねて、前述の73項目から18項目を抽出した。 642通の有効回答を得た(有効回答率21.4%)。その結果、「日常と異なる状態の有無」、「自宅内での転倒の有無」「認知症がある場合、認知障害の状況」、「本人からの訴え」、「介護者のストレス」、「介護者からの訴え」が重要な項目として抽出された。さらに、AI(機械学習)による分析を行った。K-Prototypeによるクラスタリングにより、3つのクラスターに分類した結果、クラスターに関係なく、「認知症がある場合、認知障害の状況」と「自宅内での転倒の有無」の合計が回答の半数以上を占めていた。また、実務経験年数が長く、管理的な立場のケアマネジャーが多いクラスターでは、他のクラスターと比較して、家族介護者の心身状況をより重要視していることが分かった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、アンケート調査を実施でき、計画通り進行している。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、2022年度に得られたデータをもとに、経験豊富なケアマネジャー、必要に応じて介護者(家族等)にインタビュー調査を行い、入力するモニタリング項目を確定させるとともに、システム開発を進めていく予定である。
|