研究課題/領域番号 |
22K02049
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 同朋大学 |
研究代表者 |
宮地 菜穂子 同朋大学, 社会福祉学部, 准教授 (00892481)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2026年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 社会的養護 / ケアリーバー / アフターケア / 児童養護施設 / 里親 / ファミリーホーム / 自立支援 / 子ども家庭福祉 / 里親・ファミリーホーム |
研究開始時の研究の概要 |
児童養護施設・里親等を退所等した者に関する初の全国調査結果から、多くの若者は施設や里親との繋がりが途切れてしまっている状況が示された。「なぜ繋がりが途絶えてしまうのか?実際に孤立しているのか?繋がり続けるために何が必要であるのか?」は早急に解明すべき課題であり本研究の核心をなす「問い」である。 そこで、施設と里親等の両者を対象としたアンケート調査及びインタビュー調査の分析をもとに、繋がりの維持に関連する要素や社会的孤立・孤独を予防する支援に必要な要素を描出し、自立支援体制構築の進展への貢献を目指す。
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研究実績の概要 |
2023年度は、研究目的を達成するための3つの柱のうち、1つ目の柱である「社会的養護経験者の生活状況・繋がり状況を明らかにする」ことを目指して、社会的養護経験者本人および支援者へのインタビュー調査を実施した。社会的養護経験者本人については、できるだけ措置解除直後(措置解除されて1~3年目程度)であり追跡調査が可能な方へ依頼し、施設からの措置解除者3名、里親・ファミリーホームからの委託解除者2名の計5名に実施した。支援者については、措置解除後のアフターケアを担当している若しくは担当したことのある方へ依頼し、施設職員4名、里親1名の計5名に実施した。当初予定通り計10名に対する調査が完了した。 2つ目の柱である「アフターケアの現状を明らかにする」に関しては、1年目に実施済のアンケート調査によって得られたデータの入力を完了し、集計、分析、報告の準備を進めた。 3つ目の柱である「社会的養護経験者との繋がりの維持に関連する要因の分析」に関しては、1年目に実施済の愛知県内の児童養護施設等の社会的養護経験者を対象としたアンケート調査によって得られたデータを基にして、支援者との繋がりの維持に寄与する要因に関する分析を行い、結果の一部を発表した。さらに、集計結果を報告書としてまとめ2月末に入稿し、分析結果は論文としてまとめた。 また愛知県内の里親等の社会的養護経験者を対象としたアンケート調査によって得られたデータの入力を完了し、集計、分析、報告の準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アンケート調査では、申請時の調査・分析スケジュールにおいて2年目実施予定の里親・ファミリーホームの養育者を回答者とする調査について時期を早めて1年目に完了することができたため、その後のデータ入力、分析を順調に進めることができた。 またインタビュー調査については、当初予定通りに10名に対して実施を完了することができたものの、協力者の内、支援者においては施設関係者と里親・ファミリーホームの比率が4:1と偏りが生じた。 できるだけ措置解除直後から2~3年間の自立生活への移行期の追跡調査が可能な方に調査を依頼するにあたり、支援者や関係者らに本調査の目的・意義を説明し理解を得た上で、条件に当てはまる候補者の紹介を受け、依頼するという手順で進めた。聞き取りに際しては、措置解除された直後の社会的養護経験者の生活に関する概ね10~12か月間の経過の振り返りを想定し、1~3月の時期に調査が実施できるよう日程調整を行った。そのため、実質3か月間での依頼、日程調整、実施というタイトなスケジュールとなり、期間内に日程調整ができた方が今年度は施設養護関係者に多く、里親・ファミリーホーム関係者が当初予定より少なくなった。15歳以上で措置解除された者の実人数が、施設よりも里親・ファミリーホームの方が少ない実態があるため、調査協力を得るに難しさがあるものの、偏りが大きくなりすぎないように努めながら、協力を依頼していきたい。
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今後の研究の推進方策 |
3年目以降も、引き続き社会的養護経験者本人および支援者へのインタビュー調査を予定している。2年目に1回目調査を実施した方には1年後の追跡調査(2回目)を実施しつつ、新たな協力者への1回目調査を平行して実施していく予定である。 また、1年目に回収済のアンケート調査データを基にした分析結果についてまとめた論文を投稿する予定である。
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