研究課題/領域番号 |
22K02061
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
伊藤 絵理 (岩山絵理) 愛知教育大学, 教育学部, 助教 (70639020)
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研究分担者 |
小倉 靖範 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (10827918)
厨子 健一 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (40734489)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 特別支援学校 / 個別の教育支援計画 / スクールソーシャルワーカー / 特別支援教育 / 意思決定支援 / スクールソーシャルワーク / 多職種連携 |
研究開始時の研究の概要 |
特別支援教育の本格的な実施に伴い、障害のある子どもたち一人ひとりに対して個別の教育支援計画の策定が義務付けられた。この個別の教育支援計画は、学校と家庭、各関係機関との連携ツールとしての機能が期待されているが、十分に活用されていない。また、他機関との連携や家庭支援を担うスクールソーシャルワーカー(以下、SSW)は、特別支援学校において、活躍できているとは言い難い。本研究では、学校と福祉機関の連携にSSWはどのように寄与すべきか、個別の教育支援計画は、いかに活用されるべきかをインタビュー調査やケーススタディから明らかにし、特別支援学校において活用可能な「SSW活用促進モデル」の構築を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、教員とスクールソーシャルワーカー(SSW)が協働する方策や特別支援学校におけるSSWの役割を明らかにした上で、個別の教育支援計画を用いた「SSW活用促進モデル」を構築することである。 SSWの役割については、法令で示されるSSWの職務と、教員がSSWに期待する役割を比較し、両者の違いを明らかにした。違いは以下2点であった。①教員は、いじめや暴力行為などの問題行動への対応をSSWに期待していなかった。②SSWの職務範囲について、教員は、SSWが学校に対して何らかの提言をしたり、自治体の体制整備に対して改善を求めたりすることは、期待していなかった。これらの結果を踏まえ、個別の教育支援計画にはSSWの支援対象を明記し、学校への提言や自治体の体制整備への要請がSSWの職務に含まれることを明確に示すことが必要であると示した。 また、個別の教育支援計画様式について開発チームで検討し、様式案を作成した。1名の生徒を対象に個別の教育支援計画を試行的に作成し、検討した。成果として、以下3点を示すことができた。①学校、相談支援事業所、専門職など様々な視点からの情報として支援目標と支援内容が共有されることで一貫性のある支援を目指せる。②転記する項目があり、教員が各種資料に目を通し、他機関や専門職のアセスメントや見立てを知ることができる。③SSW等専門職が支援目標を提示する欄を設けることで、アセスメントに基づいた支援目標を提示するというSSWの役割を明確化できる。一方で課題も明らかとなった。課題は以下3点である。①SSWの配置人数が少なく、全ての児童生徒を対象とすることは難しく、スクリーニング方法など検討が必要。②本人の意向を把握することは重要であるが難しい面もある。意思表明や意思形成支援について検討が必要。③個別の教育支援計画を出発点とした授業づくりにつなげていくことが必要。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度にコロナウイルス感染症拡大の影響を受け、インタビュー調査が遅れたことにより、やや遅れて進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
個別の教育支援計画を用いたSSW活用促進モデルについて、開発チームによる検討会と研究協力校での試行を繰り返し、モデルの改善を図る。完成した仮モデルの効果を把握するため、試行にかかわった教員とスクールソーシャルワーカー、相談支援専門員へのアンケート調査を実施し、その結果を踏まえ、さらにモデルを改善し、完成モデルとして示す。
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