研究課題/領域番号 |
22K02063
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
折戸 洋子 愛媛大学, 社会共創学部, 准教授 (70409423)
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研究分担者 |
礒部 太一 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (00724999)
堀 正士 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (10238777)
山本 智規 愛媛大学, 社会共創学部, 教授 (30380257)
村田 潔 明治大学, 商学部, 専任教授 (70229988)
崔 英靖 愛媛大学, 社会共創学部, 教授 (70335884)
福田 康典 明治大学, 商学部, 専任教授 (90386417)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | BMI / サイボーグ / 情報倫理 / プライバシー / 障がい者 / Brain Machine Interface / 障がい者支援 |
研究開始時の研究の概要 |
非侵襲型ウェアラブルのBMI機器を用いたサイコキネシス実験を主に障がい者を対象に実施し、実験結果への多面的な考察を行うことで倫理的な課題の発生状況をより明確化し、それへの対応策や障がい者のQOLの向上を実現しうる方針について検討していく。これらの実験・調査結果への分析を通じて、サイボーグ機器利用の可能性と社会的期待を探るとともに、現在では認識されにくい障がい者によるサイボーグ機器利用の潜在的リスクや個人、組織、社会への影響を考察し、その成果を積極的に公表する。
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研究実績の概要 |
2023年度は、主に次のように、2022年度までに実施した実験調査結果についての成果報告や新規の調査を行った。 (1) CPDP(Computers, Privacy & Data Protection)2023に参加し、パネルディスカッション"The Social and Etchical Implications of Implantable"において、折戸が “The Ethical and Social Implications of Cyborg Technology in Japan: Privacy, Equality, and Dignityというタイトルの研究報告を行った。この報告では、日本におけるサイボーグ技術の受容の歴史やその特徴、そこでの倫理的課題について指摘している。(2)国際的に最大級の情報倫理学の国際会議(ETHICOMP 2024)において、2023年に先天性障害の方を対象として実施したBMI利用実験および半構造化インタビュー調査の結果について学会報告を行い、フルペーパーの投稿を行った。これにより哲学や倫理学、情報倫理学の研究者と意見交換を行うことができ、また、同様のテーマを研究する海外の研究者とのネットワーク構築が実現された。(3)国内学会において、最先端情報技術の福祉分野における利用についての意識調査(有効回答730件)の結果を報告し、さらにその詳細な内容と考察を加え、国内学会誌に論文投稿を行った。(4)インプランタブルやウェアラブル機器のリスクについての専門家を対象としたインタビュー調査結果についてまとめた調査結果を、国内の研究会で報告し、スウェーデンを中心とした関連の研究者と意見交換を行った。(5)その他、サイボーグ技術の倫理的・社会的課題やプライバシー保護、SDGsに関連する研究報告を行った。(6)新規に障がい者と非障がい者を対象とした、BMIやサイボーグ技術に関するアンケート調査を実施し、回答を収集している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの研究成果や、新規に実施した実験・半構造化インタビュー調査の結果を二つの国際学会において報告し、今後の研究課題を精査するとともに、より深い考察を行うことができた。加えて、新規に設計したアンケート調査を実施し、障がい者および非障がい者のBMI利用に関する意識調査をまとめるための準備が完了した。その他、障がい者にとっての最先端技術の利用についての意見や、オンラインプライバシー保護についても新たな研究業績をあげることができた。そのため、全体としてはおおむね順調に進展していると評価できるものと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度までに実施したすべての実験調査の結果をまとめた論文を執筆予定である。また、障がい者と非障がい者のBMI利用に対する意識や意見を調査することを意図したアンケート調査結果を集計分析し、関連研究者や福祉関係者からのフィードバックを得た後に、成果公表を行うことを検討している。
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