研究課題/領域番号 |
22K02079
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
武地 一 藤田医科大学, 医学部, 教授 (10314197)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 認知症カフェ / 認知症 / 介護負担 |
研究開始時の研究の概要 |
近年では適切なケア介入が行われれば、認知症の人やその家族のQOLを維持できる可能性が示されている。この中で、2012年度から国の認知症施策で本格的に始まった認知症カフェが注目され、2018年度末には全国で7千カ所と急速に普及している。しかし、一方で、認知症カフェが、どのような効果をもたらすか、エビデンスレベルの高い研究はほとんど見られない。本研究では、初期認知症と診断された患者およびその家族120組を対象に、認知症カフェを紹介することを介入として、患者及び家族のQOLに対して認知症カフェへの紹介(参加)が効果をもたらすか、ランダム化比較試験(RCT)により検証する。
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研究実績の概要 |
本研究は、もの忘れ外来受診中の認知症の人とその家族(研究対象者)にとって、認知症カフェを利用することによって意味のある効果が得られるのか検証することを目的としている。実際の研究では、研究対象者を2群にわけ、カフェ紹介群と対照群の2群の比較を行う予定である。ただし、効果を測定する項目を事前に決めておく必要があり、2023年度は測定項目の妥当性の検証として、もの忘れ外来に長期通院中、ケア的な介入によって変化が生じ得る測定項目の検証を行った。これらの測定項目には認知機能としてMMSE、ADL評価としてDASC、精神症状の評価としてNPI、介護負担感の評価としてZBIなどが国際的には用いられており、今回の研究でも、それらの項目を使用した。認知症の人(MCIも含む)とその家族120組を対象に、もの忘れ外来での平均2年間のフォロー中のデータを解析した。認知症という疾患の特性および現在の治療手段の特性上、MMSEやADLが低下することは予想され、その通りの結果であった。ZBIについては、長期フォロー中の変化をみた先行研究では、悪化がもっとも多く、不変も一部に見られていたが、今回の研究では不変であった。平均値としては不変であったものの、更に詳しく解析すると、もの忘れ外来初診当時は介護負担感が重かった対象者(ZBIが高かった対象者)では、経過中に介護負担感が低下することが観察された。それに対して、初診時にZBIが平均的であった対象者は経過中、ZBIが徐々に悪化する傾向が見られた。これらの結果から、ZBIは、もの忘れ外来などのケア的要素を含む介入により、修飾可能な因子であることが示された。もの忘れ外来から、認知症カフェへとケア的介入を行う場所を変更することで、どのような結果が得られるか、検証を進める意義があると思われた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実績の概要に記載した内容の検証に時間を要した。ZBIは22項目であり、認知症カフェの効果を見るための前後の検証を行う上では測定者にとって時間がかかり負担となる可能性がある。そのため、経時的変化を見るために有用な短縮版を作るのが望ましいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
認知症カフェについては、新型コロナウイルスの流行により開催中止となったカフェが多かったが現在では再開されているカフェも多く、ZBI短縮版の検討とともに、カフェ利用による効果を測定する研究を進めていく。
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