研究課題/領域番号 |
22K02085
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 吉備国際大学 |
研究代表者 |
黒宮 亜希子 吉備国際大学, 社会科学部, 准教授 (50435038)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 地域アセスメント / 地理情報システム(GIS) / 地域福祉 / 生活支援サービス / 食料品アクセス問題 / 買い物弱者 / 可視化 / 地域包括ケアシステム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、地域における社会福祉実践に不可欠な地域情報3点の把握(①地域特性、②地域ニーズ、③社会資源)を、デジタル地図上で情報を重ね、記録・管理・分析が可能な「地理情報システム(GIS: Geographic Information System)」を活用し、地域アセスメントに有効な手法を開発することである。現地調査(定性的・定量的)による情報収集の後、GISによる可視化を実施する。その成果により、専門機関・専門職、地域住民に還元可能な「地理情報システム(GIS)を活用した地域アセスメント手法」の開発を研究の狙いとする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、地域における社会福祉実践に不可欠な地域情報の把握を、デジタル地図上で情報を重ね、記録・管理・分析が可能な地理情報システム(GIS)を活用し、地域アセスメントに有効な手法を開発することである。現地調査(定性的・定量的)による情報収集の後、GISによる可視化を実施する。その成果により、専門機関・専門職、地域住民に還元可能な、「地理情報システム(GIS)を活用した地域アセスメント手法」の提案までを研究の当初の狙いとしている。 研究初年度である2022年度(研究計画1年目)は、コロナ禍継続の影響により、本来計画していた複数の現地調査について思うように進展しない状況があった。しかしながら、上記の研究目的に基づき、主に次の2つの研究を実施した。 ①社会福祉分野の先行研究を基に、地域アセスメントにおける地理情報の援用に関する現状と課題について基礎的整理を行った。結果として、社会福祉実践レベルにおいては、住宅地図等の地理情報を地域アセスメントに一部活用する例は多数存在するが、研究レベルにおいては、地理情報を扱う研究は極めて限定的であることが明らかになった。特に、隣接領域と比較すると、社会福祉分野では電子データ(地理情報)の積極的活用には現段階では至っていないことについても併せて明らかになった。 ②近年社会問題となっている食料品アクセス問題(買い物弱者問題を含む)について、岡山県X市(中山間地域)を対象とした事例研究を実施した。具体的には、X市内において移動販売事業を進める民間事業者を対象としたヒアリングを実施し、X市全体としての食料品アクセス問題の面的な解決や、民間事業者(小売店)と社会福祉専門機関との連携のあり方について検討を行った。この成果を基に、2023年度(研究計画2年目)、GISを活用した上で、食料品アクセスを主題とした地域アセスメントに取り組む計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究の遅れの理由としては、新型コロナウイルス(COVID-19)による影響の継続により、現地調査(特に社会福祉専門職を対象とした)の機会が、計画より大幅に減少したことが大きい。その中においても、段階的に研究を進めた。研究計画1年目である2022年度においては、大きく3つの研究成果が得られた。 ①社会福祉分野の地域アセスメント、特にそこでの地理情報の援用に関する現状と課題について、先行研究レビューに基づく基礎的整理を行い、論文(和文)として発表した。 ②岡山県X市(中山間地域)を対象として、食料品アクセス問題の視点から、X市内ならびに過疎市域において積極的に移動販売事業を展開する民間事業者(食料品を中心とした小売店)にヒアリングを実施した。その成果を基に、事例研究として、今後の地域の生活支援サービス整備のあり方について議論を行い、論文(和文)にまとめた。 ③岡山県X市(中山間地域)を対象に、GISを活用した食料品アクセス問題に関する基礎的な地域アセスメントを実施した。その成果を2022年10月、国際学会(英文)にて発表した。以上の研究成果から、急速に過疎化が進行する中山間地域の生活支援サービスの実態を明らかにし、また地理情報システム(GIS)を用いた地域アセスメントの有効なあり方について検証を行うための準備を行った。
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今後の研究の推進方策 |
研究2年目(2023年度)の研究計画は以下3つである。 ①研究計画1年目(2022年度)に基礎的な研究を行った岡山県X市(中山間地域)の食料品アクセス問題に関する現地調査をさらに進める。その上で、GISを用いて人口・高齢化率と重ね合わせる等、X市の今後の食料品アクセス問題を含む、生活支援サービス構築のあり方に関する基礎資料を作成する。 ②研究計画1年目(2022年度)に進めることが出来なかった、岡山県内の社会福祉専門職を対象とした地域アセスメントに関する調査研究を進める。特に、社会福祉分野における地域アセスメントの実態と課題について、定性的、定量的、共に明らかにすることを目標とする。 ③岡山県Y市(中山間地域)とZ市(離島を含む地域)の、生活支援サービス(オープンデータを含む)について、GIS上で可視化作業を行う。その成果を基に、アクションリサーチ方式により、当該市町村の社会福祉専門機関(地域包括支援センター、市町村社会福祉協議会を想定)と共に、地理情報ならびにGISを活用した地域アセスメントのあり方についての検討を開始する。
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