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視覚障害に配慮した高齢者介護の実践を可能にする学習支援ツールの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K02087
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分08020:社会福祉学関連
研究機関国立障害者リハビリテーションセンター(研究所)

研究代表者

清水 朋美  国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 病院 第二診療部(研究所併任), 診療部長 (90336561)

研究分担者 齋藤 崇志  国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 障害福祉研究部, 研究員 (70922342)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
キーワード視覚障害 / 高齢者 / 介護保険 / ロービジョン / 介護従事者 / 質的研究 / 混合研究法 / 高齢者福祉 / 介護サービス
研究開始時の研究の概要

加齢や疾患に伴う介護を要する高齢視覚障害者に対する介護では、視覚障害に配慮した環境整備やサービス提供が求められる。しかし、主に介護サービスを支援提供していくケアマネージャー、介護福祉士等の介護専門職は、その教育課程で視覚障害(者)に関する専門知識・技術を十分に学習していない。そのため、介護専門職が高齢視覚障害に提供する介護サービスの課題や問題点を指摘する実践報告等が散見されるが、その実態は十分に明らかとなっていない。本研究では、高齢視覚障害に対する介護現場の課題等の実態を調査し、視覚障害に配慮した高齢者介護サービスの提供を可能とする介護専門職に向けた学習支援ツールの開発を行う。

研究実績の概要

昨年度得られた結果に基づき、今年度は介護従事者が望んでいる視覚障害者に関する情報について整理を行い、最終的に介護従事者が視覚障害について学習できるコンテンツの試作版を作成した。当初は、総論と各論に分け、「なぜ、高齢者の目の問題に着目する必要があるか?を理解する」と「目の問題を有する高齢者に対応する際の基本的な考え方を理解する」を総論の主軸とし、各論で「ロービジョンの高齢者に対する配慮・工夫の基本的な考え方を理解する」、「全盲の高齢者に対する配慮・工夫の基本的な考え方を理解する」、「視覚障害に関する地域資源とそれへのアクセスの方法を理解する」について、各論に盛り込んだ。しかし、結果的にボリューム過多となり、介護従事者の意見を求めた結果、「基礎編」と「実践編」の2部構成とし、各動画の時間は実用性も考え、20分程度を目指した。ロービジョンケアの専門家は、視機能の評価を重視し、視力と視野の結果を伝えがちであるが、そもそも視力の数値、視野の図を結果をして提示をしたとしても、介護従事者には専門外であり、理解が難しい現状があることも改めてわかってきた。つまり、全盲であれば、理解しやすいが、部分的には見えているが十分には見えていないロービジョンの状態は理解が難しいことがわかった。このため、見えにくさを可視化していく必要性も明らかになり、美術の専門職に協力を依頼し、見えにくさを可視化できる手段についても検討し、動画試作版に盛り込んでいくことにした。結果的に11名の介護従事者に試作版を最終確認してもらい、おおむね良好な回答を得ることができた。最終年度には、協力が得られる関連施設で勤務する介護従事者を対象とし、介護従事者に対する学習支援コンテンツの介入効果を検証していく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

内容構成、学習支援コンテンツに盛り込む内容の取捨選択で、予想外に時間を要したが、最終的には介護従事者の意見も繰り返し確認しながら、予定通りに介護従事者を対象とした学習支援コンテンツ試作版を形にすることができた。作成の過程で、全盲以外の見えにくさをクリアに説明するには、見え方の可視化が必要であることがわかり、美術の専門家の協力を依頼するに至った。当初、美術の専門家とのコラボレーションは予想をしていなかったが、眼科やロービジョンの専門知識を有さない介護従事者にとっては、見えにくさの可視化がロービジョンの理解を深める上でも欠かせないことがわかった。予想外のことはあったが、当初の計画通りおおむね順調に進展していると考えられた。

今後の研究の推進方策

2024年度は最終年度だが、協力が得られる関連施設で勤務する介護従事者を対象とし、介護従事者に対する学習支援コンテンツの介入効果を検証していく予定であり、倫理審査を始めとした準備を進めている段階である。学習支援コンテンツが介護従事者にもたらす行動変容について調査を実施し、検証を行った上で、最終的に誰でもアクセスできるように一般に向けて動画公開を行う予定である。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] 高齢者介護における医療介護職とロービジョンケア専門職の連携2023

    • 著者名/発表者名
      齋藤 崇志, 矢田部 あつ子, 松井 孝子, 清水 朋美
    • 雑誌名

      日本老年療法学会誌

      巻: 2 号: 0 ページ: 1-9

    • DOI

      10.57270/jgts.2023_010

    • ISSN
      2436-908X
    • 年月日
      2023-09-14
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 高齢視覚障害者への介護保険サービス提供に関する現状と課題2023

    • 著者名/発表者名
      齋藤崇志, 矢田部あつ子, 松井孝子, 清水朋美
    • 雑誌名

      視覚リハビリテーション研究

      巻: 13 ページ: 1-10

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 医療介護職による高齢視覚障害者への介護保険サービス提供に関する現状と課題2023

    • 著者名/発表者名
      齋藤崇志, 矢田部あつ子, 松井孝子, 清水朋美
    • 学会等名
      第31 回視覚障害リハビリテーション研究発表大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 高齢者介護における医療介護職とロービジョンケア専門職の連携 ―医療介護職を対象としたオンラインアンケート調査―2023

    • 著者名/発表者名
      齋藤 崇志, 矢田部 あつ子, 松井孝子, 清水 朋美
    • 学会等名
      第2回日本老年療法学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 高齢視覚障害者に対する施設系介護サービスの課題とその背景 -混合研究による検討-2023

    • 著者名/発表者名
      齋藤崇志, 矢田部あつ子, 清水朋美
    • 学会等名
      第24回日本ロービジョン学会学術総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 高齢視覚障害者の余暇活動についての専門職の認識2023

    • 著者名/発表者名
      矢田部あつ子 齋藤崇志 松井孝子 清水朋美
    • 学会等名
      第31 回視覚障害リハビリテーション研究発表大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 高齢視覚障害者の安心かつ安全な施設系介護サービス利用を妨げる要因に関する質的研究 -介護従事者と高齢視覚障害者に対するインタビュー調査-2023

    • 著者名/発表者名
      齋藤崇志, 矢田部あつ子, 清水朋美
    • 学会等名
      第31回埼玉県理学療法士学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 高齢視覚障害者に対する施設系介護サービスの課題とその背景 -混合研究による検討-2023

    • 著者名/発表者名
      齋藤崇志, 矢田部あつ子, 清水朋美
    • 学会等名
      第24回日本ロービジョン学会学術総会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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