研究課題/領域番号 |
22K02100
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 北海道科学大学 |
研究代表者 |
小島 洋一郎 北海道科学大学, 工学部, 教授 (50300504)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | センサシステム / 食品 / 計測 / 評価 / 画像解析 / 機械学習 / 多変量解析 / 人工知能 / AI |
研究開始時の研究の概要 |
食に対する人の感性を客観的な指標に基づき評価するのは大変困難である。食品の膨大な物性や品質に関して、多種多様なデータの取得が必要になることから、高性能なセンシングデバイスとパターン認識技術によるシステム開発が求められている。
本研究では、これまで主観とされてきた官能評価に一定の基準を与え、「食」に関するデータバンク化を目指している。また、小型で五感を代替する各種センサや分析機器から得られる計測値と、ヒトの物理的・化学的感覚との相互関係を感性工学的手法により明らかにする。さらに、人工知能(AI)との融合により今までにない「おいしさ」の知覚情報システムの創製を最終的な到達目標とした。
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研究実績の概要 |
■FoodとTechnologyを融合した造語であるフードテック(FoodTech)は、AIやIoTなど様々なテクノロジーを駆使して食に関する多様な各種問題を解決に導き、食の可能性を大きく広げていく技術として、注目を集めている。多くある事例の一つとして、災害時に役立つ食材開発や、多様化する消費者のニーズに応え予測するマーケティングへの応用がある。 ■本研究では、食品産業分野へAI・IoT・データサイエンスを網羅的に利活用して,人手不足の解消や様々な課題解決に向けた「おいしさ」の評価を継続して進めている。 ■2023年度は、昨年に引き続き高額で高精度な分析装置を使用せず、身近にあるイメージセンサ、例えばスマートフォンのカメラや理化学機器を利用して、迅速で廉価な分類の可能性を目指してきた。実験手順を示す。1)実験試料の撮影、2)撮影画像を画像処理ソフトにより RGB の色データ値を取得、3)RGB 値の分析処理、4)試料間の差異をクラスター分析などの多変量解析や機械学習より評価した。使用した試料は同系色を示し、製造企業が異なる液体とした。画像データとその分析から茶系食品の簡易な分類の可能性を示すことが出来た。また、RGB 要素と教師なしクラスター分析により、数値データに留まらない視覚的な評価を迅速に行えた。この研究により、おいしさと官能評価、各種分析機器評価との関連性や、五感を代替する各種分析機器にて食品の客観的数値化の可能性が得られた。また、消費者の受容を促すための感覚マーケティング、特に複数の感覚のクロスモーダル対応への取組に着手し始めることができ、新たな視点での評価指標の探索になった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国内外での研究を参考にし、解析手法を新たに構築できたことにより順調に進展した。本申請と系統的に似通る研究結果との差異化を図ることで、新規性を目指している。
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今後の研究の推進方策 |
国内や海外にて発表された研究指針との本質的な相違を調査検討し、本研究の独自性や新規性をこれまで以上に伸ばすよう、研究開発の推進を行う。 今後は、様々な機械学習のアルゴリズムとディープラーニングを駆使して、コンピュータビジョンの技術との融合を図る。センサから得られたデータの数値信号解析や本手法によるシステムの性能評価基準を明らかにする。アルゴリズムの性能を向上させるため、ハイパーパラメータのオートチューニング開発を進めると同時に、未知のデータに対する予測・分類の精度を高めることを目指す。
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