研究課題/領域番号 |
22K02113
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
大西 竜子 琉球大学, 農学部, 准教授 (80759720)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 食物繊維 / 短鎖脂肪酸 / 母性行動 / 養育行動 / 親子関係 |
研究開始時の研究の概要 |
親の子に対する不適切な養育行動は、社会的に重要な課題としての理解が広まってきており、適切な行動変容につながる科学的手法による知見の積み上げは、子育て支援に大きく貢献するものと期待される。近年の妊娠適齢期の女性における栄養課題として、食物繊維摂取量の不足が挙げられる。食物繊維は難消化性ゆえに腸内発酵により短鎖脂肪酸の産生を促すが、短鎖脂肪酸は健康な精神の維持に寄与することが明らかにされつつある。本研究では、妊娠期・授乳期の食物繊維摂取が不適切な養育行動を予防・改善する可能性についてモデル動物(マウス)を用いて検証する。
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研究実績の概要 |
本研究は、適切な養育行動と腸内環境(腸内発酵)の関連性を探ることを目的としている。 性成熟に達した雌性マウスに抗生物質(ネオマイシン)を飲水投与すると、盲腸内発酵により生じる短鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸)が顕著に減少することは確認した。母マウスの妊娠安定期(膣栓確認後9日目)から出産に至る期間、抗生物質を飲水投与し腸内細菌の活動を抑制した上で、仔に対する養育行動試験を行った。昨年度から今年度にかけて、盲腸内短鎖脂肪酸の産生が抑制されると対照群(抗生物質なし)に比べて母マウスの養育行動の基盤となる巣の形状が未熟になること、巣作り行動のモチベーションが低下すること、仔を巣に運ぶ反応が遅くなることなどの行動変容が認められること、その結果の再現性が高いことを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度までの結果で、妊娠期に一定の腸内環境を維持することは適切な養育行動に重要であることが示唆されたため。
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今後の研究の推進方策 |
盲腸内発酵を抑制した母マウスにおいて養育行動のモチベーションが低下する要因の一つとしてストレス感受性が上昇している可能性が考えられる。母親に拘束ストレスを与え血中コルチコステロン、ACTH濃度を指標とし、ストレス脆弱性を評価する。また、特定の短鎖脂肪酸あるいは盲腸内発酵に有効な食物繊維を与えたときの母マウスの養育行動への影響を調べるなど、養育行動と盲腸内短鎖脂肪酸との相互関係についてさらに検討を進めていく。
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