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乳児におけるフラボノイドの直接的あるいは間接的な免疫調節作用

研究課題

研究課題/領域番号 22K02118
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分08030:家政学および生活科学関連
研究機関兵庫県立大学

研究代表者

石坂 朱里  兵庫県立大学, 環境人間学部, 助教 (30724463)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワードフラボノイド / ケルセチン / 乳児 / 乳汁 / 薬物代謝 / マウス / 胎児 / 胎盤 / 免疫
研究開始時の研究の概要

フラボノイドはヒトが日常的に摂取している植物由来成分であり、多様な生理機能を示すことから、授乳期においては、その影響は乳汁を介して乳児にも及ぶと想定される。しかしながら、フラボノイドの乳汁への移行メカニズムと、乳児におけるフラボノイドの生理作用はこれまでに報告がなく不明である。
そこで本研究では、フラボノイドを摂取した母親が分泌する乳汁を摂取した乳児において、フラボノイドが健康維持(免疫調節作用)に寄与するか否かについて、主にマウスを用いて究明する。

研究実績の概要

本年度は、コントロール(CTL)群とケルセチン(QUE)摂取群における、母仔マウス生体内QUEを解析するとともに生理機能性を究明した。
QUE群の母マウスには、0、0.1あるいは0.01%QUE混餌飼料を出産後7~13日目まで(7日間)自由摂取させた。昨年度と同様の手法で、母仔マウス生体試料(乳汁、血液、膀胱尿、肝臓などの臓器)をサンプリングし、QUEアグリコンおよびQUE代謝物16種をLC-QTOF-MSにて網羅的に分析した。興味深いことに、0.01%QUE群において、母マウス乳汁と仔マウス血漿からQUEおよびQUE代謝物が検出された。この結果から、日常的に摂取可能なレベルのQUEが乳汁を介して仔に移行することが明らかとなった。また、いずれのQUE群においても、乳汁・血漿・尿中にQUEおよび代謝物が検出され、その濃度はQUE摂取量依存的に上昇する傾向が認められた。さらに、QUEアグリコン濃度は乳汁で顕著に高いことが認められ、仔の胃内容物からも高濃度のQUEアグリコンが検出された。
一方、生体異物であるQUEの摂取により、乳仔の薬物代謝酵素活性が増強される可能性を想定し、仔の肝試料におけるグルクロン酸転移酵素(UGT)および硫酸転移酵素(SULT)の活性を評価した。その結果、CTL群と比較して、いずれのQUE群でも有意なUGT活性の増強が示された。SULT活性についても、統計学的有意差はみられないが増強傾向が認められた。このことは、QUEなどのフラボノイドが母乳を介して乳児の生理機能に影響を与えることを示す重要な知見と捉えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

母仔マウス生体試料中ケルセチン(QUE)の解析データをさらに蓄積できたことに加え、母マウスのQUE摂取がその乳仔マウスの生理機能に影響を与えることを示す新規知見が得られた。

今後の研究の推進方策

ケルセチン(QUE)摂取群の仔マウス肝試料にて薬物代謝酵素であるグルクロン酸転移酵素(UGT)の活性増強が認められたため、これについて、遺伝子・タンパク質レベルでの詳細な解析を進める。また、乳汁や乳仔生体内において、QUEアグリコン比率が高い要因を究明するため、母仔生体試料中の抱合・脱抱合活性をさらに詳細に解析する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Transfer of quercetin ingested by maternal mice to neonatal mice via breast milk2023

    • 著者名/発表者名
      Fujiwara Nao、Mukai Rie、Nishikawa Miyu、Ikushiro Shinichi、Murakami Akira、Ishisaka Akari
    • 雑誌名

      Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry

      巻: 87 号: 4 ページ: 442-447

    • DOI

      10.1093/bbb/zbad007

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 授乳期のフラボノイド摂取が乳児の生体機能に与える影響2024

    • 著者名/発表者名
      石坂朱里, 藤原なお, 向井理恵, 西川美宇, 生城真一, 村上 明
    • 学会等名
      日本農芸化学会2024年度大会シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 乳汁への用量依存的なケルセチン移行が乳仔の生理機能性に与える影響2023

    • 著者名/発表者名
      藤原なお, 向井理恵, 西川美宇, 生城真一, 村上 明, 石坂朱里
    • 学会等名
      第28回日本フードファクター学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Hormesis-mediated mechanisms play significant roles in bioactivities of phytochemicals2022

    • 著者名/発表者名
      Akira Murakami, Shiho Kawaguchi, Nao Fujiwara, Akari Ishisaka
    • 学会等名
      22nd International Congress of Nutrition
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Quercetin ingested by maternal mice may be transferred to newborn mice via breast milk2022

    • 著者名/発表者名
      Akari Ishisaka, Nao Fujiwara, Rie Mukai, Akira Murakami
    • 学会等名
      10th International Conference on Polyphenols and Health
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Infants may be exposed to quercetin and its metabolites via breast and formula milk2022

    • 著者名/発表者名
      Nao Fujiwara, Rie Mukai, Akira Murakami, Akari Ishisaka
    • 学会等名
      22nd International Congress of Nutrition
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] ケルセチン摂取後の母仔マウスにおけるケルセチン代謝物の解析2022

    • 著者名/発表者名
      藤原なお、向井理恵、西川美宇、生城真一、村上 明、石坂朱里
    • 学会等名
      第27回日本フードファクター学会学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] ケルセチンの"母子伝播"と活性発現機構の究明2022

    • 著者名/発表者名
      石坂朱里
    • 学会等名
      第35回農芸化学会中四国支部若手研究者シンポジウム
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 乳汁を介したケルセチン移行が乳児に及ぼす生理的意義の究明2022

    • 著者名/発表者名
      藤原なお, 向井理恵, 村上明, 石坂朱里
    • 学会等名
      第25回フードサイエンスフォーラム
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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