研究課題/領域番号 |
22K02129
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 産業技術短期大学 |
研究代表者 |
松原 孝典 産業技術短期大学, 機械工学科, 講師 (40735536)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | アントシアニン / 還元剤 / 浸透促進剤 / ポリフェノール / 白髪染め / アノード酸化アルミニウム / 緑茶抽出物 / チオグリコール酸アンモニウム / ベンジルアルコール / 天然由来物質 / 酸化染毛剤 / 酸化反応 / 浸透拡散 |
研究開始時の研究の概要 |
世界的に白髪染めは一般的であるが、人体負荷を引き起こすと知られる酸化染毛剤によって染毛される。しかし、高い染色性、低い色落ちという点で酸化染毛剤の代替はない。酸化染毛剤では、①有効成分が毛髪内部に浸透しやすいこと、②その成分が化学変化により毛髪内部から出にくくなることが重要である。 本研究では、酸化染毛剤の染色メカニズムを参考に、天然由来物質の化学変化を活用する染毛法を開発する。還元剤や浸透促進剤で①を促し、化学変化を伴う後処理により②を達成する。本研究により、酸化染毛剤の開発以後150年技術革新のない染毛科学の世界を変え、染毛で苦しむ人を減らすことや、持続可能な社会に貢献できる。
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研究実績の概要 |
還元剤と浸透促進剤を添加して、緑茶抽出物やアントシアニンで処理すると染色性が向上した。これは、毛髪の物理化学的な構造を変化させることで、緑茶抽出物に含まれるカテキン類やアントシアニンの浸透拡散のしやすさを促すことが目的である。そこで、それらの物質が毛髪に対して化学的な影響がないかをFT-IR法により調査することを試みた。ATR法により、毛髪表面のFT-IRスペクトル測定をおこない、還元剤等の添加の有無で処理後の毛髪表面のスペクトル変化を調べた。しかし、明瞭な差異が検出されなかった。還元剤等が毛髪自身に“大きな”影響を与えなかった可能性もあるが、明確な根拠は見いだせていない。 また、前年度に試みたアントシアニンとポリフェノールの組み合わせの白髪染めについて、別のアントシアニンを利用して染色試験をおこなった。その結果、前年度のムラサキイモ色素と同様にブドウ果皮色素やアカダイコン色素においてもポリフェノールの後処理濃色効果や還元剤や浸透促進剤による染色性向上効果が見出された。 一方、毛髪の物理化学構造は水に漬けただけでも変化があり、それに伴い、物質の浸透拡散のしやすさも変化する。そこで、水に漬ける等の簡単な処理で物質の浸透拡散のしやすさが変化しない被染色物を染色することを試みた。その被染色物は、アノード酸化処理をおこなったアルミニウム板であり、毛髪と同様に酸性染料で染色しやすく、等電点がちかい(毛髪が5程度で、アノード酸化アルミニウムは6程度)。酸化染毛剤の染色メカニズムを参考に、ドーパ(L-3,4-dihydroxyphenylalanine)が酸化によって酸化重合し、メラニン色素となる化学変化を染色に利用した。その結果、メラニン合成後に染色するより、ドーパの酸化反応溶液でアノード酸化アルミニウムを染色する方が染色性が高いことがわかった。その他染色条件と染色性の関係を種々調査した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本務先の業務との調整がつかず、エフォートが予定より低下している。
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今後の研究の推進方策 |
やや遅れているため、次年度はエフォートを高められるような調整が必要である。
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