研究課題/領域番号 |
22K02145
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 神奈川工科大学 |
研究代表者 |
饗場 直美 神奈川工科大学, 健康医療科学部, 特任教授 (50199220)
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研究分担者 |
金田 雅代 女子栄養大学, 付置研究所, 客員教授 (30413066)
榊 順子 鹿児島純心女子短期大学, その他部局等, 教授 (50806586)
福本 隆司 神奈川工科大学, 情報学部, 教授 (80772912)
三宅 理江子 神奈川工科大学, 健康医療科学部, 准教授 (90718975)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 栄養教諭 / 学校給食 / 食育 / 連携 |
研究開始時の研究の概要 |
栄養教諭導入後の10年間で教材として整ってきた給食献立を、質のよい教材として活用するために、より質の高い給食献立の確立のための献立研究を継続するとともに、給食を教材として活用した食育を実施を全国で展開できるための食育実施法について検討する。栄養教諭が給食を教材として児童生徒の行動変容に導く食育を実践できるようにするための食育コアモデルの構築を試みる。特に、現在学校教育への整備やその教材開発が進められているICT等のデジタル情報技術を活用した新たな食育媒体を食育普及モデルに実装するための検討を行う。
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研究実績の概要 |
2023年度は、昨年度に引き続き給食におけるICTを活用した食に関する指導を実践するために、研究参加している各地域(5県)の栄養教諭を対象として、動画作成のための基礎的技術の研修を実施した。ICTを活用した毎日の継続的な食の指導を実践し、児童生徒に印象に残る動画作成を目指して、これまでに実施していた給食時の食に関する指導の指導案に基づいて動画作成に向けた絵コンテの作成及び動画編集法について演習を行い、各県の指導案に基づいた給食時の食に関する指導のための動画を製作した。 滋賀県においては、児童の食塩摂取に関するアンケート調査を事前に行い、その結果に基づいて学級活動の時間に減塩に関する授業を行った。授業の際のワークシートをもとに児童の減塩に関する学びをテキストマイニングによって抽出し、そのキーワードをもとに児童の学びを行動変容に結びつけることを目的とした動画5本を製作し、給食時の継続的な食の指導につなげた。 鹿児島県では、小学校において担任と協力しながら噛むことについてこれまで実施してきており、児童の咀嚼指導方法について検討してきた。今年度は教員を対象として、噛むことに関する指導についての意識や実態についてアンケート調査を実施した。その結果、教員はよく噛んで食べることは大切であると認識し、自らがよく噛んで食べている教員はよく噛んで食べることを指導できていたが、限られた給食時間の中で、マナーや衛生、残さず食べる等についての指導を優先しており、一部の教員は家庭で行うべき内容と考えていた。教員の負担を軽減するためにも、ICT教材の活用や給食の指導体制の見直し、家庭との連携についての検討が必要であると確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は、対面での研修が実施できる状況になり、研究参加している各地域(5地域)での、動画作成のための研修を対面で実施することが可能となり、計画に従って研究を進めることができた。しかしながら、コロナ禍の数年間は対面での研究打ち合わせができなかったことから、3つの地域において研究実施への方向性が不明確になり、研究実施が遅れ、全ての地域での動画作成の研修に至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、現在各地域で進めている給食時における食に関する指導のための動画作成を進め、各地域での動画の共有化を図るため、動画内容について再検討と調整を行い、共通食育動画としてデータベース化を試みる。研究実施が遅れている地域においては、再度研究の方向性について検討を行い、ICTを用いた食に関する指導の動画を作成するための研修を実施する。 また、2024年1月に給食時間における児童の窒息事故が発生したことを受け、学校給食時における児童の安全確保が社会的課題として急浮上してきている。児童が事故なく安全に食事をするためには、安全に食べられる環境整備(喫食時間の確保、見守り等)と咀嚼教育(急いで食べない、しっかり噛んでおいしく食べる等)の2面からのアプローチが重要である。我々はこれまでによく噛んで食べることやおいしく残さず食べる食事の仕方の指導について研究を進めてきているが、安全に児童が咀嚼して食べられるためには、環境整備も重要であると考える。食に関するする指導時間の確保や児童生徒の喫食時間の確保は給食時間のマネジメントに関する内容であり、学校給食の時間配分について調査研究を開始する予定である。この給食時間マネジメントの研究は、学校のインフラ設備やカリキュラム等が大きく影響することから、幅広い調査を行い、食事時間確保に係る要因を洗い出し、食に関する指導時間の適正化についての検討を進める。
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