• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

未病ケアを志向した薬膳素材のオートファージー制御機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K02149
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分08030:家政学および生活科学関連
研究機関長崎国際大学

研究代表者

藤井 俊輔 (藤井俊輔)  長崎国際大学, 公私立大学の部局等, 講師 (10610165)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワード抗肥満作用 / 抗炎症作用 / オートファジー / 薬膳 / 生薬 / 薬膳素材 / 未病 / 疾病予防 / モノクローナル抗体
研究開始時の研究の概要

『オートファジー(ATG)の破綻』が種々の疾病の引き金となっていることが注目されているが、『薬膳』による疾病予防へのATGの関与を報告している研究は皆無である。本研究では、薬膳に用いられる素材のATG制御を介した未病ケアの有効性を解明する。また本研究は、申請者が独自に作製した天然化合物に対するモノクローナル抗体を研究ツールとして、標的分子の同定や分子生物学的手法を用いた作用機序の解明を行うとともに、調理による「食」の観点からの解析も実施する。これらの研究によって得られた知見から、薬膳の機能性及び、安全性を精査することで詳細な作用機序を解明する。

研究実績の概要

オートファジーの破綻が種々の疾患の引き金となっていることが注目されている。東洋医学において、平素の食事による健康管理・増進を目的とした「薬膳」は、未病ケアの一つに位置付けられているが、薬膳素材を用いた疾病予防とオートファジーの関連性を報告する研究は皆無である。そこで本研究では、①前駆脂肪細胞(3T3-L1)を用いた脂肪滴の蓄積抑制作用、②マクロファージ様細胞(RAW264)を用いた抗炎症作用を活性評価の指標として、これらの機能性とオートファジーの関連性について精査した。

①3T3-L1細胞を用いた脂肪滴蓄積抑制作用:昨年度までにオウレンやオウバクの主活性成分であるベルベリンにおいて、濃度依存的な脂肪滴の蓄積抑制効果を確認している。そこで今年度は、有機化学的手法を用いて12種類のベルベリン誘導体を合成し、脂肪滴の蓄積抑制作用を調べた。その結果、ベルベリンを含め計2種の化合物において脂肪滴の蓄積抑制作用を見出した。さらに、オートファジー関連マーカーとしてLC3-Ⅱの発現量を調べたところ、処理濃度依存的に、また処理時間依存的に発現低下を確認した。したがって、本現象はオートファジーの抑制が関連することが示唆された。

②RAW264細胞を用いた抗炎症作用:昨年度までにNO産生抑制能を指標として生薬・薬膳素材のスクリーニングを行ったところ、ケイヒの粗抽出物においてNO産生抑制作用を認めた。さらにケイヒ粗抽出物を用いて精査を行ったところ、PGE2産生抑制および、iNOS、COX2の発現低下を確認した。さらにLC3-Ⅱおよび、p62を指標としてオートファジー制御能について調べた結果、経時的なタンパク質発現の増加を認めたことから、ケイヒ粗抽出物はオートファジーを促進することで、抗炎症作用を発揮する可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実験条件の検討に想定以上の時間を費やしてしまったが、本研究計画2年目のマイルストーンはほぼ達成できており、概ね当初の研究計画通りに研究は遂行できている。

今後の研究の推進方策

今後の研究において、抗肥満作用および抗炎症作用とオートファジーとの関連についてより詳細な検討を実施する。具体的には、オートファジーフラックスアッセイの実施を行うと共に、オートファジー阻害剤および促進剤を用いて、オートファジーとそれぞれの活性との関連性を明らかにする。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Development of an indirect competitive enzyme-linked immunosorbent assay for formononetin and its application in a cell-based assay using MC3T3-E1 cells2023

    • 著者名/発表者名
      Fujii Shunsuke、Ohta Tomoe、Ehama Riho、Irikida Mizuki、Nomura Shuichi、Shoyama Yukihiro、Uto Takuhiro
    • 雑誌名

      Food Chemistry

      巻: 403 ページ: 134339-134339

    • DOI

      10.1016/j.foodchem.2022.134339

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Development of Highly Sensitive Chemiluminescence Enzyme Immunostaining Assay to Determine Glycyrrhizin Content Using Anti-glycyrrhizin Monoclonal Antibody2022

    • 著者名/発表者名
      Fujii Shunsuke、Shoyama Yukihiro、Nomura Shuichi、Uto Takuhiro
    • 雑誌名

      CHEMICAL & PHARMACEUTICAL BULLETIN

      巻: 70 号: 10 ページ: 694-698

    • DOI

      10.1248/cpb.c22-00405

    • ISSN
      0009-2363, 1347-5223
    • 年月日
      2022-10-01
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Saffron (Crocus sativus L.) as a valuable spice and food product: a narrative review2022

    • 著者名/発表者名
      Fujii Shunsuke、Morita Yumi、Ohta Tomoe、Uto Takuhiro、Shoyama Yukihiro
    • 雑誌名

      Longhua Chinese Medicine

      巻: 5 ページ: 18-18

    • DOI

      10.21037/lcm-22-1

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] アルクチゲニンおよびアルクチインに対するモノクローナル抗体を用いた間接競合ELISAの確立2023

    • 著者名/発表者名
      藤井俊輔、太田智絵、友利桃子、小嶋涼華、野村秀一、宇都拓洋
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] ホルモノネチンに対する特異的モノクローナル抗体の作製および間接競合ELISAへの応用2022

    • 著者名/発表者名
      藤井俊輔、太田智絵、正山征洋、宇都拓洋
    • 学会等名
      日本薬学会第142年会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 骨芽細胞への分化を促す食品成分の探索2022

    • 著者名/発表者名
      森田佑美、木村美公、馬渡真由美、橋口美来、前田麻衣、藤井俊輔、野村秀一
    • 学会等名
      日本食生活学会第65回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [備考] 抗ホルモノネチン抗体に関する論文がFood Chemistry 誌にアクセプトされました

    • URL

      https://www1.niu.ac.jp/topics/study/2022/4958.html

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [備考] 学生のゼミ活動の成果が学術雑誌に掲載されました。

    • URL

      https://www1.niu.ac.jp/topics/course/2022/4537.html

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi