• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

繊維種テラヘルツスペクトルの定量分析法と繊維中の欠陥評価に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K02154
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分08030:家政学および生活科学関連
研究機関放送大学

研究代表者

倉林 徹  放送大学, 秋田学習センター, 特任教授 (90195537)

研究分担者 淀川 信一  秋田大学, 理工学研究科, 講師 (90282160)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
キーワードテラヘルツスペクトル / 定量分析法 / 欠陥評価 / セルロース系繊維 / 機械的損傷 / 熱的損傷 / スペクトルスペクトル / 繊維
研究開始時の研究の概要

本研究はテラヘルツ分光分析法を用い,衣料の原料となるコットン等に代表されるセルロース系繊維種について,繊維に内在する分子間結合によるテラヘルツ波帯固有振動を見出し,セルロース系繊維に機械的損傷や熱的損傷を与えた試料を分析し,損傷度合に応じて繊維中に生じる欠陥密度の定量的識別法を実現する。さらに,本研究の欠陥識別法をセルロースナノファイバーの分析評価に適用し,ナノファイバー作製時の解繊工程によって生じる損傷の定量化を実現し,セルロースナノファイバー含有の複合樹脂機能性素材として期待されるナノファイバー研究における新たな欠陥評価法としての可能性を追求する。

研究実績の概要

本研究はテラヘルツ分光分析法を用い,セルロース系繊維種中に内在する分子間結合によるテラヘルツ波帯固有振動を見出し,セルロース系繊維に機械的損傷や熱的損傷を与えた試料を分析し,損傷により繊維中に生じる欠陥密度の定量的識別法を実現することを目的とする。
これまでに,スーピマ綿のテラヘルツ微分スペクトルを多変量解析することにより,セスロースI型結晶構造に対応したテラヘルツスペクトルの定量分析手法を確立した。さらに,スーピマ綿に機械的,および熱的損傷を加えた時に生じる繊維中の欠陥密度を,セルロースI型結晶の定量識別により計測できることを見出した。機械的損傷に関してはボールミルによる凍結粉砕時間をパラメータとし,熱的損傷については昇温制御可能な電気炉を用い大気圧下にて一定時間(60分)加熱したときの処理温度をパラメータとし,それぞれの損傷に対するスーピマ綿中に含有されるセルロース結晶の損傷度合いを計測することにより,機械的,および熱的損傷を受けたコットン中のセルロース結晶の残留度合いを定量化した。
上記の欠陥評価法をセルロースナノファイバーの評価に拡張した。セルロースナノファイバーは製造時に(解繊工程により)機械的損傷を受けていることが確認されるものの,実験により加えた機械的損傷プロセスや熱的損傷プロセスに対応し,それぞれ損傷が生じる度合を定量的に分析することができた。特に熱的損傷については結晶度の変化をアーレニウスプロットすることにより活性化エネルギーが算出され,損傷が誘起されるメカニズムについて考察した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

セルロース系繊維種中に内在するセルロースI型結晶に対応するテラヘルツスペクトルを実験により同定し,テラヘルツ微分スペクトルの多変量解析により高い精度の定量分析が可能であることを見出した。また,繊維中に機械的・熱的な損傷を与える方法を検討し,機械的損傷についてはボールミルを用いた77Kでの凍結粉砕における時間依存性により,熱的損傷については昇温制御可能な電気炉を用いた(1時間の)加熱温度依存性により実現できることが分かった。
スーピマ綿を用いた機械的・熱的な損傷評価において定量分析が可能であることを確認し,この手法をセルロースナノファイバーの分析に拡張することができた。研究の実施状況は概ね順調に推移しているものの,成果の公表に関して論文投稿や学会発表が不足しており,成果発表の機会を確保することが課題である。

今後の研究の推進方策

本研究により見出したテラヘルツスペクトル定量分析による機械的・熱的な損傷評価の手法を用い,セルロースナノファイバー作製工程における解繊処理の評価やセルロースナノファイバー含有の複合樹脂機能性素材の新たな欠陥評価法としての可能性を追求する。具体的には,解繊処理方法の異なる機械的解繊および化学的解繊による数種のセルロースナノファイバーをメーカーより入手し,各素材レベルでの欠陥評価を実施する。さらに粉末状のセルロースナノファイバーに機械的損傷,および熱的損傷を与えた試料を用いその損傷度合を定量化し,コットン繊維における損傷発生との違いを明らかにすることにより,素材としてのセルロースナノファイバーの優位性を見出す。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 薄膜成長法開発、素子試作、 そして応用へ2024

    • 著者名/発表者名
      倉林 徹
    • 学会等名
      2023年度応用物理学会東北支部主催講演会 ~支部貢献賞記念講演
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi