研究課題/領域番号 |
22K02165
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 高崎健康福祉大学 |
研究代表者 |
田中 進 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 教授 (70348142)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | インターロイキン-2 / Jurkat細胞 / グルコース / 細胞性免疫 / NF-κB |
研究開始時の研究の概要 |
令和元年度の国民健康・栄養調査報告によると「糖尿病が強く疑われる者」、「糖尿病の可能性が否定できない者」の人数は約2200万人と推定され、国民の約5.5人に1人は糖尿病もしくはその予備軍となっている。一方、近年、血糖値は食事や運動によって変動することから、一日の血糖値変動(血糖トレンド)が注目されており、その中で食後に血糖値が急上昇し、その後、急降下する血糖値スパイクが「隠れ糖尿病」として2型糖尿病へのリスクを高めることが明らかとなっている。本研究では糖尿病との関連が深いグルコースに焦点を当て、一過性の高濃度のグルコースがもたらす細胞性免疫に対する影響を検討する。
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研究実績の概要 |
食後、血糖が正常の範囲を超えて急激に上昇し、その後、急降下して正常値に戻る血糖値スパイクは、膵臓のインスリン分泌に負担をかけ、長期的にはインスリン抵抗性のような2型糖尿病のリスクを高める。また、急激な血糖の上昇は、炎症、酸化ストレス、糖化終末産物(Advanced glycation end products:AGEs)の増大をもたらし、心血管疾患などの慢性疾患のリスクが増加する。本研究では糖尿病との関連が深いグルコースに焦点を当て、一過性の高濃度のグルコースがもたらす細胞性免疫に対する影響をヒト白血病T細胞由来のJurkat細胞を使用した細胞レベルで検討を行った。 2022年度より、細胞毒性のない一過性の高濃度のグルコースがJurkat細胞のコンカナバリンA(ConA)誘導性のインターロイキン-2(IL-2)産生を相乗的に有意に上昇させることを見出し、高濃度のグルコースは数時間でIL-2 mRNAの発現量を有意に上昇させることを示した。2023年度はIL-2 mRNAの発現を制御する3つの転写調節因子nuclear factor of activated T-cell(NFATc1)、nuclear factor-kappa B(NF-κB)、activator protein-1(AP-1)の転写活性におけるグルコースの影響を検討した。結果、グルコースの還元糖であるソルビトールでは、3つの転写調節因子の転写活性に影響を与えないことが示されたが、グルコースによりNF-κBの転写活性が上昇することが明らかとなった。従って、本研究では一過性の高濃度のグルコースが細胞性免疫に影響を与える可能性があることを細胞レベルで示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Jurkat細胞のConA誘導性のIL-2産生に対するグルコースの相乗的効果の作用機序解析が計画よりも遅れている。また、グルコース以外の単糖の検討が進でいないことから、上記のような達成区分を選択した。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画の通り、以下の検討を行う。 1. Jurkat細胞のConA誘導性のIL-2産生に対するグルコースの相乗的効果の作用機序について、詳細な解析を引き続き進める。 2. グルコース以外の単糖を使用して、Jurkat細胞のConA誘導性のIL-2産生に対する影響を検討する。
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