研究課題/領域番号 |
22K02178
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
田中 勝 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (70202174)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 歴史的町並み・集落 / 防災 / 減災の知恵 / 持続可能なまちづくり / 伝建地区 / 防災・減災 / 建築士・NPO / 重要伝統的建造物群保存地区 / 防災学習 / 教材開発 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は歴史的町並み・集落における持続可能なまちづくりを目指して、全国の重要伝統的建造物群保存地区を対象に、生活文化の継承と地域コミュニティの再生を図りながら減災の知恵・教訓を継承していく方法について全国規模の調査より実証的に検討する。特に歴史的町並み・集落内の伝統的建造物にみる減災の知恵をハード(建築技術)とソフト(住まい方、生活文化、コミュニティ等)の両面から明らかにし、研究成果は学校教育教材や自治体の町並み保存計画等に還元していく。
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研究実績の概要 |
令和5年度は研究期間の2年目として、基本資料・データの収集を目指した。具体的には、前年度に引き続き公共図書館やホームページを利用し、歴史的町並み・集落(伝建地区)を対象に、「防災」「減災」をキーワードに書籍・文献・新聞記事・動画等の情報を広く収集することとした。また、全国の伝建地区の中から設定したモデル地区1カ所を対象に、伝建地区における被災及び復旧状況に係る文献収集のための現地調査と、学校における防災学習の取組について現地調査を行った。 具体的には次のようである。 1)A市のモデル地区の町並み保存団体を対象に令和4年度に実施した聴き取り調査結果の内容を踏まえ、それを裏付ける資料を得るためにA市について資料収集調査を実施した。県立図書館が所蔵する新聞データベース(1884年8月から2013年3月分)を対象に記事検索を行なった。A市における過去の大規模自然災害、昭和30年代に発生した大水害、その後の防災対策、伝建地区の防災・減災に関する情報に加えて、町並み保存活動の変遷に関する記事を併せて入手し、被害実態を分析した。 2)被災した伝建地区に隣接する学校での防災学習の取組を把握するため、モデル地区の小学校を対象に、地域の風水害等に備えた防災教育や児童の安全確保のための各種行事等の取組について学校での聴き取り調査と資料収集を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍の影響は少なくなりつつあるが、モデル地区の過去の被災状況や自然災害のタイプが異なることを考慮し、文献等による基礎資料収集を中心に研究を進めている段階にあり、現地での具体的な調査に移れていないのが遅延の理由の一つである。 また、伝建地区を抱えるすべての自治体や町並み保存団体を対象とした防災・減災に関する全国規模のアンケート調査実施を計画していたが、能登半島地震が発生し、被災した伝建地区もあることに配慮し、調査実施時期を変更する必要があると判断したためである。 以上の理由から、各種調査の実施対象や実施時期を組み替える必要が生じ、当初計画どおりに研究を進めることができなかったため、進捗状況を「遅れている」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
地震、台風、水害等の自然災害はいつ、どこで発生するか予測できず、ひとたび発生するとその影響が長期化することもあるため、研究上必要な各種調査については伝建地区の立地特性や災害タイプを考慮しつつ、調査可能な場所において調査可能な範囲内で実施していくことを基本的なスタンスとしたい。 自治体及び町並み保存団体等対象のアンケート調査については適切な実施時期を見極めることとし、令和6年度中は調査票の作成に進み、可能であれば実施を検討する。ただし研究代表者の伝建地区を対象とするもう一つの科研費研究課題との関係を考慮し、調査対象者の負担が大きくならないよう、また相乗効果が大きくなるような工夫に努める。 各地の伝統的建造物にみる減災の知恵については事例分析が不足している状況にあることから、先行研究による成果を参考に今年度は現地調査のモデル地区を2地区から3地区程度追加する予定である。
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