• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

持続可能なファッションのための消費過程を踏まえた伝統織物の感性価値の指標化

研究課題

研究課題/領域番号 22K02180
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分08030:家政学および生活科学関連
研究機関滋賀大学

研究代表者

與倉 弘子  滋賀大学, 教育学部, 名誉教授 (50165784)

研究分担者 横山 真智子  三重大学, 教育学部, 講師 (30984025)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
キーワード綿クレープ織物 / 伝統織物 / 素材特性 / 感性評価 / 消費者教育
研究開始時の研究の概要

持続可能なファッションを推進するために、消費過程を踏まえた伝統織物の感性価値の指標化を目的とする。伝統織物としての綿クレープ織物について、着用から廃棄に至るまでの素材特性変化に着目し、着用時に確認する感性価値の指標化を進め、織物の基本設計や着用時間を軸として感性価値を総括する。消費過程における感性価値を明確にして、着用期間の長期化を勧める消費者教育を通して長く大切に着る消費者意識の醸成に繋げる。

研究実績の概要

本研究は、持続可能なファッションを推進するために、消費過程を踏まえた伝統織物の感性価値の指標化を目的とする。伝統織物としての綿クレープ織物について、着用から廃棄に至るまでの素材特性変化に着目し、着用時に確認する感性価値の指標化を進め、織物の基本設計や着用時間を軸として感性価値を総括する。消費過程における感性価値を明確にして、着用期間の長期化を勧める消費者教育を通して長く大切に着る消費者意識の醸成に繋げることを目標とする。
これまで、比較的短期間の着用による布の性能変化を捉えるため、繰り返し洗濯試験および着用試験後のルームウェアから試料布を採取して、KES-FBシステムにより素材特性変化を評価した。本年度は、布の集合構造や熱・水分移動特性の変化を測定して考察を深めた。女子大学生を被験者とした正規化順位法による布の触感評価と素材特性との関係を捉え、研究成果を日本衣服学会年次大会で報告した。また、伝統的綿織物を用いた中学校技術・家庭科家庭分野の教材開発と公立中学校における授業実践を継続し、伝統的な綿織物を教材とした授業が中学生の衣生活意識に及ぼす影響について検討した。伝統的綿織物を用いた被服製作実習や簡易実験が、中学生の衣生活行動に主体的に取り組む意識を高める傾向が捉えられ、その教材としての有用性が示された。研究成果は日本家庭科教育学会誌に掲載された。
これと並行して、再利用・再生利用しやすい伝統的綿織物としてのデニム地に着目して、デニム地の素材特性の範囲と特徴、着用による素材特性変化、デニム地を用いたリメイク品の嗜好評価と素材特性の関係について検討し、デニムのアップサイクルに関する基礎的知見を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、繰り返し洗濯試験および着用試験後のルームウェアから採取した試料布について、布の集合構造変化や熱・水分移動特性の変化を測定して、素材特性変化に関する考察を深めた。比較的短期間の着用・洗濯による布の集合構造・凹凸形状の変化は少なく、繰り返し洗濯によりたて糸方向の曲げ剛性が減少し、滑らかさや柔らかさの主観評価値が増加する傾向が確認された。この研究成果について、日本衣服学会年次大会で報告した。また、伝統的綿織物を用いた中学校技術・家庭科の題材開発と授業実践を行い、伝統的綿織物を用いた被服製作実習や簡易実験が、中学生の衣生活行動に主体的に取り組む意識を高める傾向が捉えられた。研究成果は日本家庭科教育学会誌に掲載された。さらに、再利用・再生利用しやすい伝統的綿織物としてのデニム地着用による素材特性変化の範囲と特徴、デニム地を用いたリメイク品の嗜好評価と素材特性の関係について検討している。
以上のように、伝統織物としての綿クレープ織物の素材特性については比較的短期間の性能変化の範囲と特徴を評価することができた。デニム地への応用にも着手している。また、消費者の環境配慮意識の醸成に繋がる消費者教育の題材開発・家庭科における授業実践も進めており、概ね順調に進展していると考える。

今後の研究の推進方策

令和6年度は伝統的綿織物としての綿クレープ織物について、これまで集積した触感評価・着用感評価と素材特性を関連付けに基づいて、繰り返し着用時に確認する感性価値の指標化について検討する。さらに、再利用・再生利用しやすいデニム地やタオルなどの広範囲な伝統的綿織物の素材特性変化の評価、廃棄衣料の素材特性に基づくアップサイクルについても検討する。引き続き消費者の環境配慮意識の醸成に繋がる消費者教育の題材開発・授業実践を積み重ね、持続可能なファッション素材としての伝統的綿織物を提案する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 伝統的綿織物を教材とした授業が中学生の衣生活意識に及ぼす影響2023

    • 著者名/発表者名
      横山真智子,與倉弘子
    • 雑誌名

      日本家庭科教育学会誌

      巻: 66 号: 3 ページ: 101

    • DOI

      10.11549/jjahee.66.3_101

    • ISSN
      0386-2666, 2424-1938
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 婦人用薄手布としての高島ちぢみの性能評価2023

    • 著者名/発表者名
      與倉弘子
    • 雑誌名

      日本衣服学会誌

      巻: 66 ページ: 47-52

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] Changes in Physical and Geometrical Properties of Cotton Crepe Fabrics Taken from Worn Undershirts2022

    • 著者名/発表者名
      YOKOYAMA Machiko、SUKIGARA Sachiko、YOKURA Hiroko
    • 雑誌名

      Journal of Textile Engineering

      巻: 68 号: 3 ページ: 41-47

    • DOI

      10.4188/jte.68.41

    • ISSN
      1346-8235, 1880-1986
    • 年月日
      2022-06-15
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 綿クレープ織物を用いた婦人用ハーフパンツの着用による風合い特性の変化2023

    • 著者名/発表者名
      與倉弘子,横山真智子
    • 学会等名
      日本衣服学会第74回年次大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 伝統綿織物を用いた被服製作の技能と手順の検討2023

    • 著者名/発表者名
      横山真智子,與倉弘子
    • 学会等名
      日本家庭科教育学会近畿地区会研究・実践発表会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 伝統的な綿織物を教材とした授業が中学生の衣生活意識に及ぼす影響2022

    • 著者名/発表者名
      横山真智子,與倉弘子
    • 学会等名
      日本家庭科教育学会第65回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi