研究課題/領域番号 |
22K02184
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 新潟県立大学 |
研究代表者 |
山岸 あづみ 新潟県立大学, 人間生活学部, 准教授 (00400531)
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研究分担者 |
田村 朝子 新潟県立大学, 人間生活学部, 教授 (60240991)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 玄米 / 大麦 / α化粉末 / 粘度 / テクスチャー / 雑穀 / 豆類 |
研究開始時の研究の概要 |
でんぷんに水を加えて加熱したものは、糊化(α化)されて消化されるようになるため、乾燥α化米やα化米粉は、水を添加するだけで喫食できる。しかし、白米は精米により栄養素を多く含むぬかが除かれる。でんぷんを多く含む食材には米以外に雑穀、豆類等があり、食物繊維等を比較的多く含む。このため、これらの食材を用いれば米より栄養素を含むα化したでんぷん粉末を提供できる。本研究では、高でんぷん食材のα化粉末を各種方法で作製した後、作製法が異なるこれらの粉末の調理特性を明らかにする。その後、これらの調理特性に基づき、高でんぷん食材のα化粉末を活用した栄養を強化した粥や非加熱ゾル状食品の開発を行う。
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研究実績の概要 |
今年度は昨年度実施した内容を踏まえ、非加熱の冷製菓子への活用について検証することを目的として行った。玄米、大麦(うるち種、もち種)および精白米のうるち種(コントロール)を試料とした。これらの試料は炊飯して凍結乾燥した後、粉砕してα化米粉を作成した。作成したα化米粉を用いて、水:油の割合が異なる溶液、牛乳、豆乳、グラニュー糖溶液でペーストを作成し、これらの粘度、テクスチャー、安定性等について測定を行った。測定の結果から、水:油の溶液では油の割合が多くなると、ペーストの作成は困難であったが、玄米のα化粉末は他の試料に比べて油が多くても分離することなく、ペーストの状態となった。また、いずれの粉末も水に比べ、牛乳や豆乳で作成したペーストは粘度が高く、安定性も高いことが確認できた。 各溶液に対する物性や安定性の結果を踏まえて、各α化粉末を用いてアイスクリーム様菓子の作成および官能検査を行った。その結果、玄米で作成しアイスクリーム様菓子は大麦や精白米で作成したものに比べて粘度が低かった。しかし、官能評価の総合評価ではもっとも評価が高かった精白米と玄米で作成したアイスクリーム様菓子の間に有意差はなく、同程度であった。今年度の結果より、大麦や玄米のα化粉末は牛乳や豆乳でペーストを作成すると安定性が高く、冷製の非加熱調理へ活用できることが明らかとなった。本結果は、大麦や玄米をご飯や小麦粉の代替以外の新たな活用法を期待することができることから、意義ある内容と言える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本実験で使用する試料は、玄米、大麦(うるち種、もち種)およびコントロールとして使用した精白米の合計4種類を炊飯して凍結乾燥した後、粉末化して作成する。しかし、一度に大量に作成することができないため、今年度は試料作成に時間を要した。また、今年度は昨年度の結果を踏まえて、これらのα化粉末を様々な溶液で作成したペーストの調理特性および、これらの結果で得られた各α化粉末で作成したペーストを参考に冷製の非加熱調理への活用法を検証することを優先したため、粉末のでんぷん特性等について分析することはできなかった。さらに、本研究では穀類と同様に豆類のα化粉末の特性についても予定しているが、こちらに関しも玄米や大麦の実験に時間を要したため、検証することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は玄米、大麦(うるち種、もち種)のα化粉末を加熱・せん断粉砕法で作成し、今年度炊飯した粉末で作成したα化粉末と同様の調理特性について検討する予定である。また、昨年度作成した炊飯法および今年度作成する加熱・せん断粉砕法で作成したα化粉末のでんぷん損傷度や糊化度について分析を行い、調理特性とでんぷんの性状との関係について検証を行う予定である。
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