研究課題/領域番号 |
22K02193
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 南九州大学 |
研究代表者 |
吉本 博明 南九州大学, 健康栄養学部, 教授 (30516919)
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研究分担者 |
江口 文陽 東京農業大学, 地域環境科学部, 教授 (60337467)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | NF-kappa B / きのこ / 栽培法 / 機能性 / ヒメマツタケ / NF-kB |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目標は、きのこの機能性を増強する栽培方法の簡便な評価法を提供することである。きのこの機能性は、栽培方法の変更によって増強できる。しかし、従来の方法では確認に膨大なコストが発生する。そこで、よりコストのかからない指標として、抗炎症作用に着目し、きのこの機能性の中核をなすと考えられる炎症反応の上流域と下流域の活性相関を検討し、メルクマールとなる上流域の反応を決定する。 そのために、次のことを明らかにする。① NF-κBの既成アッセイキットを複数検討し、操 作プロトコールの点からより簡便なキットを選定する。② 最適な検出条件(抽出物濃度、惹起剤、培養細胞種等)を検討する。
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研究実績の概要 |
本研究は、きのこの機能性を増強する栽培方法の簡便な評価法を提供することを目的とする。その評価ターゲットとして、きのこに普遍的に存在する抗炎症作用に着目し、炎症反応の上流に位置すると考えられるNF-kBの活性抑制を指標とした評価法の樹立を目指す。先行する研究によって、きのこの抗炎症作用にNF-kBが関与することは明らかとなっており、下流域の炎症反応であるIL-8遺伝子発現抑制等との相関も見出した。しかしながら、NF-kBの発現幅が狭く、十分かつ再現性の高い相関性を見出すに至っていない。 前年度の研究では、NF-kB遺伝子を惹起する異なる惹起剤の検討をおこなった。すなわち、リポポリサッカロイド(LPS)、インターロイキン1β(IL-1b)、腫瘍壊死因子(TNF-a)の3種の惹起剤の比較をおこなった。その結果、IL-1bのNF-kB遺伝子発現量が、汎用されているLPSに比較して、用量依存的に比較的高く出ることが判明したものの、他の機能性との相関を取るほどの幅は得られなかった。 今年度は、これらの点を明らかにするために、細胞種を変えて検討を試みた。ヒト肝がん由来細胞株であるHepG2細胞と正常ヒト線維芽細胞(NHDF)を比較したところ、きのこ抽出物サンプルによるNF-kB遺伝子発現抑制を認めることができなかった。これは、HepG2細胞のNF-kB遺伝子発現が活性化されていることが推察され、本研究における細胞種としては不適切であることが示唆された。また、9種類のきのこ、抽出方法の異なる22種のサンプルを作成し実験に供することができた。 次年度では、細胞種の探索を継続するとともに、NF-kB遺伝子発現を十分に得られる培養条件を詳細に検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度の研究においては、複数の細胞種の比較を行うことができた。しかしながら、求める十分な発現量を得るには至らず、更なる条件検討が必要なことが明らかとなった。また、異なるElisaキットの比較検討は未着手となった。 一方、対象となるきのこサンプルについては、9種類のきのこ、抽出方法の異なる22種のサンプルを作成し、比較することができた。 なお、本研究結果は、第74回日本木材学会大会(京都)において発表した。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画では、2年度までに細胞種、培養条件および適切なElisaキットの選定を行う予定であったが、Elisaキットの比較が可能な培養条件の決定までには至っていない。3年度においては、これらの点を明らかにするために、正常ヒト線維芽細胞(NHDF)による比較試験をおこないたいと考えている。
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