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糖タンパク質ムチンを洗剤として利用する

研究課題

研究課題/領域番号 22K02195
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分08030:家政学および生活科学関連
研究機関小山工業高等専門学校

研究代表者

酒井 洋  小山工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (90310648)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
キーワードムチン / 洗剤 / 界面活性剤 / 糖タンパク質 / 洗浄 / 表面張力 / ドデシル硫酸ナトリウム / 炭酸ナトリウム / 塩化ナトリウム
研究開始時の研究の概要

全世界的な生活レベルの向上、ならびに新型コロナウイルス感染症の感染拡大のため、洗剤の需要の増加とその不足が予測されている。一方、粘液の成分として動物の生体内に大量に存在する糖タンパク質ムチンの新規材料への応用が望まれている。
本研究では、ムチンを洗剤として利用することを目指す。両親媒性分子であるムチンの界面活性剤としての性質を明らかにし、ムチンを用いた洗浄における洗浄効率向上の条件を確立する。ムチンは生体由来であるため生分解性に優れ、継続的かつ廉価に調達可能であり、未来の洗剤の原料として申し分なく、持続可能な社会の創造に資するものであると考えられる。

研究実績の概要

本研究では、ムチンを洗剤の成分として利用することを目指す。ムチンは両親媒性分子であるため、そのままで界面活性剤の代替物となる可能性があり、また、既存の界面活性剤と混合させることで、その機能を増大させることが期待されるが、ムチンの洗剤利用のためには、ムチンの界面化学的性質を明らかにすることが必要である。
今年度は、ムチン水溶液に非イオン性性界面活性剤であるポリエチレングリコールモノドデシルエーテルを加えて、表面張力の測定を行った。ムチン単体の場合と比較して表面張力はさらに低下したが、アニオン性のドデシル硫酸ナトリウムと比べるとその影響は小さかった。この場合でも水溶液にさらに塩化ナトリウムを加えることで、表面張力の大幅な低下と、変更に達するまでの時間の短縮の両方を達成できることが明らかとなった。
次に、ムチンの分子構造を変化させてその界面化学的な性質を調べた。ムチンの分子構造を変化させることを目的として、ムチンの加熱と酵素分解を行い、その溶液の接触角を測定したところ、未加工のムチン比べて接触角の低下がみられた。これはムチンを加工することでその溶液の濡れ性をより高めることができることを示している。
最後に、ムチンと界面活性剤と無機塩が含まれる溶液を用いて人工汚染布の洗浄実験を行った。その結果、油汚れ成分には十分な洗浄力を示したが、粒子汚れについてはそれほど高い洗浄力を持たないことが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ムチンと界面活性剤との相互作用、ムチンの加工が界面化学的性質に与える影響、ムチン水溶液の洗浄力の性質の一端を明らかにすることができたと考えている。

今後の研究の推進方策

ムチンの洗浄力をさらに高めることを目的とし、添加物とムチン自体の加工の両面からアプローチを行い、最終的にムチンを洗剤として利用するための知見を得ることを目指す。
加えて、洗浄において重要なファクターとなるその他の界面化学的な性質の解明も進める予定である。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 対イオンが異なるセチルピリジニウム塩に対する有機塩の影響2023

    • 著者名/発表者名
      酒井洋、湯澤実
    • 学会等名
      第74回コロイドおよび界面化学討論会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ムチンの構造変化が接触角に与える影響2023

    • 著者名/発表者名
      中鉢香那、酒井洋、高屋朋彰
    • 学会等名
      第9回関東磐越地区化学技術フォーラム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 電荷の数と配向性の異なるアニオン性有機塩がカチオン性界面活性剤のGibbs 膜に与える影響2023

    • 著者名/発表者名
      仁平陽奈多、酒井洋
    • 学会等名
      第9回関東磐越地区化学技術フォーラム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ムチンと非イオン性界面活性剤の混合溶液により表面張力への影響2023

    • 著者名/発表者名
      鈴木ゆい、酒井洋、高屋朋彰
    • 学会等名
      第9回関東磐越地区化学技術フォーラム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] アニオン性界面活性剤とムチン・無機塩が洗浄効果へ及ぼす影響2023

    • 著者名/発表者名
      宮原悠斗、酒井洋、高屋朋彰
    • 学会等名
      第9回関東磐越地区化学技術フォーラム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Contact Angle and Detergency of Aqueous Mucin Solutions2022

    • 著者名/発表者名
      Hiroshi Sakai, Aoi Yatabe, Yuuki Komura,Tomoaki Kouya
    • 学会等名
      2nd World Congress on Oleo Science
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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