研究課題/領域番号 |
22K02201
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
伊藤 敦美 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (80387315)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | デューイ実験学校 / カリキュラム / 中等教育 / レシテーション / ジョン・デューイ / 中等教育カリキュラム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、シカゴ大学附属実験学校(デューイ実験学校)において、子どもたちの経験を重視した学習から、大学入試を意識した教科学習への移行はどのように行われたか、それを支える教育理論はどのようなものであったかを明らかにすることにより、初等・高等教育と連続した中等教育カリキュラムの理論枠組みを構築することを目的とするものである。
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研究実績の概要 |
本研究は、ジョン・デューイが1896年に設立したシカゴ大学附属実験学校における中等教育カリキュラムの分析を行うことにより、デューイ中等教育構想を明らかにし、現在、我が国で進められている高大接続を実現する高等学校教育カリキュラムの理論枠組みを構築することを目的として進めている。2022年度は、デューイ実験学校の教師による実践記録(実験学校ワークリポート)を中心に学習内容に焦点を当てて中等教育段階の授業実践の検討を進めた。特に、「レシテーション」に注目して授業実践の検討を行い、日本デューイ学会第65回研究大会において「デューイ実験学校におけるクラス授業の改革(2)-レシテーションを取りあげて-」をテーマに研究発表を行った。デューイは、言語本能をあらゆる教育的資源の中で最も重要と指摘しており、レシテーションはこの言語本能を働かせる重要な教育活動と位置づけられる。デューイは、教師の問いに対し、単に暗唱したものを繰り返すというレシテーションではなく、子どもたちが自らの経験に基づいて、自ら発した問いや、子ども相互で発した問い、あるいは教師の発した問いに対し、対話をしながら論理的に考え、考えを深めていくという方法、すなわち、論理的な方法を取り入れた一連の過程をレシテーションと捉えて実験学校における授業実践を行っていた。そこで、このレシテーションが、初等段階から中等段階までどのように展開されたのかについて授業実践の分析を行い、その成果を研究発表した。しかしながら、資料上の制限により、年度当初に予定していた生活経験を重視した学習からどのように学習内容が分化(specialize)するのかについては十分に分析することができず、初等教育カリキュラムにおける中等教育カリキュラムとの連続性を明らかにするまでには至らなかった。次年度以降、詳細な調査を行いながら、分析を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
年度当初の計画では、米国においてデューイ実験学校における中等教育段階の学習内容に関する資料及び学習評価に関する資料収集を実施する予定であった。しかし、新型コロナウィルスの影響により資料収集を実施できなかったため、これまでに収集した資料の分析及びデジタル化された資料の収集・分析にとどまったことによる。
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今後の研究の推進方策 |
米国における資料収集の制限は緩和傾向にあることから、これまでできなかった調査を再開する。また、インターネットによる文献収集、図書館を通じた複写依頼を積極的に実施することにより研究を推進していく。2023年度は、デューイ実験学校における学習評価と中等教育段階の学習内容に関する資料を中心に収集・分析を行うことにより、初等教育カリキュラムと中等教育カリキュラムとの連続性を明らかにしたい。
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