研究課題/領域番号 |
22K02204
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
高柳 充利 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (60575877)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | エマソン / 世界という書物 / 超越主義者 / 教師教育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、近世ヨーロッパにおいて、<文字の学問>を象徴する「書物の世界」に対して、<実社会の鍛錬>の比喩であり、モンテーニュやデカルトらも用いた、「世界という書物」の概念を手がかりに、ラルフ・ウォルドー・エマソンを代表とする19世紀米国知識人の教育思想の吟味を通して、これまでの教師教育の議論を強く枠づけてきた<大学での研究>と<現場での実践>という二者択一的思考への代替的視点を提起する。
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研究実績の概要 |
本研究「『世界という書物』の読み手としての教師:19世紀米国知識人の教育思想」では、近世ヨーロッパにおいて、<文字の学問>を象徴する「書物の世界」に対して、<実社会の鍛錬>の比喩であり、モンテーニュやデカルトらも用いた、「世界という書物」の概念を手がかりに、言語を通して世界は開かれた書物となると論じた、ラルフ・ウォルドー・エマソンを代表とする19世紀米国知識人の教育思想の吟味を試み、これまで教師教育の議論を強く枠づけしてきた<大学での研究>と<現場での実践>という二者択一的思考への代替的視点を提起することを目的として調査をすすめてきた。当該年度においては、エマソンら超越主義者をルーツのひとつにもつアメリカ哲学を多角的に再検討すると共に、米国の教育思想、とりわけデューイの哲学と教師教育との関わりについて吟味を行い、そのうえで、エマソン研究ならびに、アメリカ哲学・教育哲学・教育学研究等の資料をもとに、エマソンならびにその系譜に関わる哲学・実践に含意される教師教育について検討をすすめた。とりわけ、アメリカ哲学フォーラム第10回大会の開催校企画として、「哲学の実践性を問い直す」というテーマのもと、3名の専門家を招き、パネルディスカッションを実施し、エマソンら超越主義者をルーツのひとつにもつアメリカ哲学を多角的に再検討する視点が含意される議論から示唆を得ることができたことの意味は大きい。また、昨年度に引き続き、信州大学教育学部附属長野小学校での討議において、米国の教育思想を代表する人物のひとりであるデューイの哲学と教師教育との関わりについて示唆を得ることができたことも、本研究の継続的な進展の支えとなっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1. アメリカ哲学フォーラム第10回大会の開催校企画として、「哲学の実践性を問い直す」というテーマのもと、3名の専門家を招き、パネルディスカッションを実施した。エマソンら超越主義者をルーツのひとつにもつアメリカ哲学を多角的に再検討する視点が含意される議論から示唆を得ることができた。 2. 信州大学教育学部附属長野小学校での討議において、米国の教育思想、とりわけデューイの哲学と教師教育との関わりについて示唆を得ることができた。 3. 国立国会図書館等での調査を通して、エマソン研究ならびに、アメリカ哲学・教育哲学・教育学研究等の資料を収集・整理し、エマソンの哲学と教育の実践との関係性を検討することで教師教育への示唆を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後、本研究課題の特質に応じて、領域横断的な調査を推進する予定である。方策として、次のような活動を手がかりに、本研究課題への示唆を探ることを考えている。1) 米国の教育哲学研究の最前線を知る研究者からの情報収集、2) アメリカ哲学に関する学会での調査、3) エマソンの思想に含意される教育実践の様相の検討、4) 大学における教員養成の実践への参与を通した調査、5) 現職教員における研修への参与を通した調査、等である。これらのアプローチをもとに、本研究課題を貫く研究関心である、「ラルフ・ウォルドー・エマソンを代表とする19世紀米国知識人の教育思想の吟味を試み、これまで教師教育の議論を強く枠づけしてきた<大学での研究>と<現場での実践>という二者択一的思考への代替的視点を提起する」という目的に向けた研究を進める。
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