研究課題/領域番号 |
22K02210
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
中園 有希 琉球大学, 教職センター, 准教授 (30758347)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 教科書出版 / 東西ドイツ / 教科書 / 探究学習 / ドイツ / 中等教育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、1960~80年代にかけて東西両ドイツで開発された前期中等教育段階用「ワークブックとしての教科書」6シリーズを対象とし、この時期の両国の教科書を巡る交流や交錯に着目しながら教科横断的に分析するものである。本研究を通して、①探究的な学びの支援のために開発された教科書が、中等教育段階におけるトラッキングを巡る問題や職業教育における学びの真正性の保障、教育段階を貫く探究的な学びの追求に対しどのように応答しようとしたのか、②探究と協同を開発の軸に据えた教科書がどのような課題と可能性を持つのか、③なぜ両国は教科書開発において同じ方向を希求したのかを明らかにすることが可能となる。
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研究実績の概要 |
当該年度は、①東ドイツの国有教科書出版社「人民と知識」出版(Volk und Wissen Verlag)に関するドイツ国内の先行研究、および同出版社が編纂した特徴ある教科書の収集を行い、②西ドイツの教科書・教材出版社との関係性に着目しながら①の資料の分析を行った。 ①については、当初は夏期にベルリンのドイツ連邦文書館及びブラウンシュヴァイクのゲオルク・エッカート国際教科書研究所における資料収集を計画していたが、台風のため渡航することができず未実施に終わったため、ILLやオンライン古書店を利用し、国内に居ながら収集できる資料を可能な限り収集した。②については、2024年5月に国際教科書学会(IARTEM)第17回大会(パリ)で成果を口頭発表予定である。 ①、②の作業を通して明らかになったのは、「人民と知識」出版が、フランクフルトやライプツィヒで開催される書籍見本市や国際教育展示会didactaなど、各国の教科書出版関係者が集まる機会を活用しながら、西ドイツの教科書出版関係者と積極的にコンタクトを試み、情報交換と教科書・教材の実物交換を行っていたということである。これらのコンタクトの延長線上で、教科書・教材の版権の輸出も行われ、中には西ドイツの出版社と共同で開発した教材や西ドイツへの輸出を意識して開発した教材も存在した。背景にあったのは東ドイツ側の外貨獲得の必要性であったが、両国が教科書や教材の出版を通し繋がりを保ち続けたことは、この時期の両ドイツの関係を解釈するうえでも重要になると思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初は8月にベルリンのドイツ連邦文書館及びブラウンシュヴァイクのゲオルク・エッカート国際教科書研究所における資料収集を計画していたが、台風のため渡航することができず未実施に終わった。しかしながら、ILLやオンライン古書店を利用し、国内に居ながら収集できる資料を可能な限り収集し、研究を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、2023年度に計画していたが実施できなかったドイツ・ベルリンの連邦文書館の訪問調査を行う。具体的には、「人民と知識」出版の内部資料のうち、西ドイツの出版社と交換した書簡類や教科書・教材の輸出入の記録を閲覧、調査したい。国際教科書学会(IARTEM)第17回大会(パリ)で行う口頭発表へのフィードバックからも手がかりを得ながら、研究期間を通して収集してきた資料を総合的に分析、まとめに向け研究を遂行する。
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