研究課題/領域番号 |
22K02222
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
原北 祥悟 崇城大学, 総合教育センター, 助教 (70850402)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 非正規教員 / 教員不足 / 教員免許制度 / 教職の専門職性 / 例外 / 任用制度 / 教育改革 / 専門性 / 身分保障 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、判例や行政通知・通達等を手掛かりに、任用制度上「例外」であるはずの非正規教員が「常態化」していく中でその「例外」解釈が拡大していく過程の解明を目指すものである。戦前・戦後の教員制度から経路依存的に非正規教員の任用が行われていることに鑑み、非正規教員をめぐる任用制度を歴史的に描くことで非正規教員問題の解決に資する一つの回答を試みる。
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研究実績の概要 |
本研究は、判例や行政通知・通達等を手掛かりに、任用制度上「例外」であるはずの非正規教員が「常態化」していく中でその「例外」解釈が拡大していく過程の解明を目指すものである。 本年度は、1960年代から1970年代に焦点を当て、非正規教員の任用をめぐる制度・政策の動向について整理・分析を進めてきた。その際、代替・試補・調整弁を手がかりに検討した。そこから浮かび上がってきたものは、まず、非正規教員問題は現代固有の新しい教育問題ではなく、「古典的」なテーマとして認識を改める必要性である。たとえば、代替教員=非正規教員という「当たり前」は当時の議論においては決して「当たり前」ではなく、身分・待遇が不安定な臨時的任用教員を充ててしまうことで、代替教員不足が生じる懸念が強く指摘されていた。現実として代替教員が確保できず、産育休の取得が困難となったとの記述も確認された。代替教員は正規として任用すべきとの運動論も検討されていたようだが、どこまで実現できたのか・途中で仮に頓挫したのであればそれはなぜか、残された検討課題を次年度以降取り組む。 その他、「多様な教職ルートの国際比較」に取り組む日本教師教育学会課題研究Ⅲ部において、昨今の教員不足に関して議論する機会を得た。日本における多様な教職ルートの大部分は、非正規教員として参入するルートである。教員不足解消の一つの手立てとして政策的に位置づけられようとしている特別免許状について、その運用実態とともに制度原理の検討が必要であることも示唆された。 非正規教員の任用拡大に関する原理的検討を進めるうえで、教職に対する役割や免許状制度が有する専門性原理に着目しながら、引き続きその「例外」解釈が拡大していく過程の解明を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
非正規教員の任用実態はこれまで把握されてこなかった領域である。そのため史資料収集が重要な作業課題となるが、その収集のために必要な十分な時間(出張期間)を確保することができなかったためである。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き史資料収集を中心に取り組んでいく予定である。夏休み期間など長期休暇を効果的に活用し、十分な時間(出張期間)を確保するよう努める。昨年度と同様に、史資料を踏まえ非正規教員の任用制度史を通時的に整理していく。
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